第1章 マーケティングの変遷とその概念

[マーケティングの基本概念1] マーケティングの4P

製品、価格、流通、プロモーションの他に、人材と情報・システムが新たに加わってきている。

マーケティングの4P
 マーケティングは数多くの変数で構成されています。それらの変数を次の4つのカテゴリーに分類したのが「マーケティングの4P」といわれるもので、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の頭文字を取ったものです。
@製品 品質、スタイル、サイズ、サービス、カラー、ブランド、パッケージなど製品に関連した様々な要素が含まれています。
A価格 最終的な小売価格だけではなく、卸売価格、標準価格、ディスカウント、アローワンス、取引条件など、流通段階で発生する全ての取引価格が対象となります。
B流通 4Pの中では最も幅広い概念であり、店舗立地、在庫、配送などの流通システム及び流通ネットワークに関する全ての要素が含まれます。
Cプロモーション 広告や人的販売、各種販売促進、パブリシティなどが対象です。

新しいカテゴリーの誕生
 市場の多様化が進み、異業種を含めた競争環境の激化、そしてITの急激な進展などによって、これまでの4Pだけでは、進化するマーケティング変数を説明しにくくなってきました。そのため、マーケティング変数の新たなカテゴリーが議論されています。その代表的なものが、人材(Person)と情報・システム(Intelligence & Information System)です。
 人材とは、企業内や関連企業の各種人的能力や企業へのロイヤルティなどを含むものであり、この人材を加えて「マーケティングの5P」と称されることもあります。また情報・システムは最も注目される分野です。POSシステムやインターネット、イントラネットなどの企業内外を結ぶネットワークシステムそのものと、そのコンテンツ(情報内容)も含みます。