第6章 流通政策と関連法規

[流通業者5] 流通外資/商業デベロッパー

競争力に優れた海外の流通業者が日本市場に多数進出し、競争が激化している。

外資系流通業の日本進出
 1991年にアメリカの玩具専門大規模小売業者「トイザらス」が日本に進出したのをきっかけに、大規模小売店法の緩和(現在は廃止)が進み、外資系流通業者の日本進出が盛んになりました。
 人口が多く所得水準も高い日本は、市場としての魅力に富んでいるうえ、さらなる消費の伸びが見込まれるアジアへの進出拠点としても最適なのです。進出コストも地価の下落により、以前に比べて安くなっています。
 また、流通業のグローバル化が進み、世界的な規模での商品調達と販売を行う流通業者が増えたことも、日本進出に拍車をかけています。このような国際的競争力を持った外資系流通業者を「流通外資」と呼びます。

既存の流通体制を崩す優位性
 流通外資は、メーカー直送体制で低価格販売を行うなど、既存の枠を破る独自の経営ノウハウを持っており、優れた商品調達力とチェーン・オペレーション力で我が国の市場においても競争力で優位に立ち、多店舗展開を進めています。従来型の日本の流通構造や取引慣行を崩す起爆剤にもなっています。
 また、流通外資とともに、アメリカの大手商業デベロッパーも日本に進出してきました。商業デベロッパーとは、ショッピングセンターの開発計画、テナントの選定、運営管理までを行う業者のことです。
 日本の流通業界は、これら海外からの進出で、激戦の様相を強めています。