第8章 販売促進活動と売り場づくり

[販促ツール] POP

購買時点での広告。主な役割は、消費者への情報提供と購買促進。

POPとは
 Point Of Purchase(ポイント・オブ・パーチェス)の頭文字を取ったもので、「ピーオーピー」と呼び、「購買時点」と訳されます。つまり購買時点となる売り場において、買物客に対し、その商品やサービスの存在を知らせ、価値を訴求し、購買意欲を高めるための広告・宣伝物を指します。
 具体的には、商品説明カードやプライス・カードをはじめ、新製品や特売品を知らせる棚札やのぼり、販売店の店頭や店内に掲示されるポスターやパネル、キャラクター人形などと多様な形態があります。
 消費者の購買行動を見ると、目的買いよりも衝動買いのほうが多く、店頭に来る消費者のうち、購入銘柄をあらかじめ決めている人は約3割といわれています。そのような消費者の行動パターンを考えると、売り場における広告・宣伝は非常に大きな効果を持つ可能性があり、消費者の最終意思決定を促すPOPは、実に重要な販促手段といえます。

POPの機能と役割
 POPは、購入銘柄を決めていない人の購買意欲を刺激するばかりでなく、目的買いをしようとする買物客にとっても非常に有効な手段です。
 消費者が、特定の商品やサービスを買いたいと思って売り場に足を運んでも、目的の銘柄がなかったり、目立たないところに置かれていたり、類似商品が売られていたりすることがあります。その場合、POPが設置されていれば目的の銘柄の購買を促すことができますし、目的の銘柄がない場合でも別の銘柄の購買に結び付けることができるからです。
 また、POPは、商品の注目度を高める効果があることから、特売品や新発売商品、キャンペーン商品などでは、必ずといっていいほど設置されています。さらに、販売員に代わって商品の説明をしてくれるので、セルフサービスを採用している売り場などでは、必要不可欠な手段といえます。