第9章 広告と広報活動

[コミュニケーション2] AIDMAモデル

情報に接触してから行動(購買)に至るまでには、いくつかの情報処理プロセスを経る。

AIDMA
 エンドユーザーが広告などで情報を受けてから意思決定を行い、購買に至るまでには、いくつかの認知・情報処理・態度変容のプロセスを経て行われます。そのため、広告戦略を立案する際は、それらのプロセスを見極めた上で、ふさわしい情報内容やコミュニケーション手法を組み合わせる必要があります。
 購買行動・態度変容プロセスの中で古典的なモデルの一つに「AIDMAモデル」があります。AIDMAモデルとは、消費者の購買心理を「認知(attention)」、「関心(interest)」、「欲求(desire)」、「記憶(memory)」、「行動(action)」の5段階に整理したものです。
 しかし、どのような商品でもこのAIDMAプロセスを経るとは限りません。例えば再購入などは、商品を購入した後の満足度や評価に大きな影響を受けます。その商品に関する口コミが広がることによって新たなユーザーが増えるといった効果もあります。また、比較的購入サイクルが長い耐久財では、より長期的視点に立った顧客づくり、サポーターづくりを念頭に置かねばなりません。

AMTUL
 AIDMAモデルに欠落している長期的視野に立った事後評価の段階を補うモデルとして一般的に知られているものに、AMTULモデルがあります。AMTULモデルは、これまで計量化できなかった態度変容の各段階を計量可能な指標に置き換えた点にも特徴があります。