第10章 消費者意識と購買行動

[消費者意識4] ライフスタイル

生活者を意識や価値観、行動に関するパターンで分類し、きめ細かい戦略立案を可能にする。

ライフスタイルの定義
 生活者の生活構造、意識、行動に関する社会におけるパターンを表したものを指します。
 ライフスタイルを基本としたアプローチは、マーケティング戦略においては極めて重要な発想法であり、ユーザーのセグメンテーションや商品ターゲットの絞り込みなどに活用されています。
 生活者を分類する基本的なものとしては、性別・年齢・未既婚・職業などといったデモグラフィック特性が挙げられます。生活者の嗜好や商品の保有率などは、このデモグラフィック特性に大きく影響されます。さらに、このデモグラフィック特性は、データが取りやすく、比較もしやすいという理由から、マーケティングにおいて非常によく使用されています。
 しかし、デモグラフィック特性上は同じカテゴリーに属していても、その人々の興味の対象や価値観、行動には異なるパターンがあり、その違いが購買行動や欲求の違いに反映されることも少なくありません。逆に、デモグラフィック特性は異なるのですが、興味の対象や価値観、行動のパターンが同じような人々もいます。こうした異なる価値観や行動様式別に生活者を分類し、特性を把握していくのが、「ライフスタイル分析」です。

ライフスタイル分析
 ライフスタイルを把握する代表的な考え方として、生活者の活動(Activities)、関心事(Interest)、意見(Opinion)について調査する方法があります。これら3つの次元から多数の質問をアンケート形式で行い、その回答結果によって生活者の分類を実施します。
 分類されたクラスターごとに特徴・プロフィールを描き出し、人口統計的に得られる特性と合わせて分析すると、市場細分化やユーザーについて、きめ細かい戦略立案をすることが可能になります。