第10章 消費者意識と購買行動

[消費者意識5] ライフステージ

家族形成時期に焦点をあて、一生を段階的に区分したもの。ほぼ加齢とともに区分が変化する。

ライフステージとは
 人間の一生を段階的に区分したもので、主に家族形成に焦点をあてた考え方です。
 例えば、若い独身者時代、新婚で子供がいない時代、子供誕生直後の育児に追われる時代、子供が中学生以上の時代、子供の成人後などの区分があります。こうした区分の変化は、ほぼ加齢とともに訪れる段階であり、各段階によって経済状況や購買行動は異なります。
 そして、ライフステージ特性によって経済状態や製品・サービスに対するニーズは如実に異なることから、マーケティング計画を立てるにあたり、ターゲット市場のライフステージと消費行動をしっかり把握した上で、新商品開発やコミュニケーション戦略、販売手法などを検討することが重要となります。

ライフステージと購買行動
 人は、独身時代には総じて経済的な負担がなく、ファッションや遊びにお金をかけます。結婚しても子供がいない間は、経済的には楽な時代が続きますが、購買行動の中心は耐久消費財に移行します。さらに子供が産まれ育児に奔走する時期を迎えると、家庭用品の購入がピークとなるほか、子供の玩具や食料品の購入量が増えて、経済的な余裕はなくなります。しかし、子供が小学生くらいに成長する頃には収入も増加し、経済状況は徐々に良好となります。同時に購買の中心は食料品の他、子供の習い事への費用などに移行していきます。
 このようにライフステージが上がるにつれて、消費に関する意識は徐々に変化し、そのときの興味の対象や必要性により、買いたいもの、買わねばならないものも変化していくのです。