第11章 マーケティング情報とデジタル・マーケティング

[マーケティング戦略1] ダイレクト・マーケティング

きめ細かい顧客管理データベースの構築が優良顧客の獲得につながる。

ダイレクト・マーケティングとは
 メーカーあるいは小売業が、店舗という販売拠点を介さずに、消費者一人ひとりとコミュニケーションをとって商品やサービスを販売することを意味します。現在はより細分化されて、訪問販売、カタログ・ショッピング、テレホン・ショッピング、インターネット・ショッピングなど、複数チャンネルが存在します。ダイレクト・マーケティングの基本は、顧客管理データベースをいかに活用するかにあります。顧客の購入履歴とプロファイルから、次に潜在的に購入したい商品ニーズを予測し、顧客をセグメントしたセールス・プロモーション計画を立案します。

商品ニーズ予測には
 顧客のライフスタイルやライフステージに関するデータが非常に重要であり、その管理項目は、単なる販売管理データだけでなく、顧客の消費行動の分析を可能とする項目が不可欠となります。例えば、ある商品素材を、顧客が二ヵ月間隔でカタログにより注文したとします。この顧客は家族四人で二ヵ月間で素材を消費するとすると、次回からは、発注する直前にダイレクトメールを送り、関連商品と関連する商品の購入意向を検証することができます。その結果、顧客データベースには、購入履歴だけでなく、次の販売戦略につながるデータが追加されます。

顧客一人ひとりへの個の対応
 こうした顧客データの積み重ねによって、顧客を固定客、固定見込み客、浮動客といったようにセグメントし、顧客タイプ別にダイレクトメールやプロモーションを展開することによって、営業コストの分配やプロモーションの最適化が図れます。今後、ダイレクト・マーケティングの中心となるホーム・ショッピングでは、顧客データベースの構築力と分析力が販売動向を左右すると考えられます。