第11章 マーケティング情報とデジタル・マーケティング

[マーケティング・システム4] ロジスティックス

物流だけでなく商流までも把握するトータル販売管理システムの構築が求められる。

ロジスティックスとは
 元々の語源はアメリカで軍隊への物資をいかに効率的に配送するかという管理手法から発生したものですが、一般的には、物流効率を商品管理や在庫管理と連動してシステム化することを意味しています。
 かつて、流通業における物流機能の課題は、メーカー→卸売業→小売業への配送業務をいかに効率的に行うかでした。つまり、在庫商品を発注に応じて日々発注商品を先出しし、在庫が不足している商品を後入れして、在庫管理を行うといったレベルでした。しかし、小口配送要求やジャストインタイムとして、前日発注当日配送などが要求されてくると、人手による日々の在庫管理や単品商品管理は作業効率を逆に低下させることにもつながります。

データの一元管理
 次に求められるのは、ロジスティックス手法を取り入れた物流情報システムの構築です。これにより、商品管理、在庫管理だけでなく、メーカーからの入荷や小売業への出荷情報も含めて全てのデータの一元管理が可能となりました。その結果、配送効率を上げるために配送ルートに合わせた積載順序をシステム化したり、小口配送を共同配送によって配送コスト節約するなど、物流面においても大きな成果をあげることができるようになりました。

中小業者の導入が課題
 ロジスティックス手法をいち早く取り入れた大手物流業者は、配送効率アップのために物流拠点を最適化したり、自動仕分けや出荷状況の追跡システムなどによってローコスト・オペレーションを実現させてきました。しかし、中小物流業者においては、いまだに入出荷データと在庫管理データを連動させての商品管理のみは可能でも、じっさいのピッキングや積載効率向上のためのシステム投資ができないのが現状であり、今後の流通業界全体の課題となっています。