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NRCプレゼンス「マーケティングインテリジェンス講座~写真画像を活用したマーケティング展開と調査の役割」

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 企業が実施すべき経営の課題として、「世の中の変化(時代の気分・風)」の見極め、「独自の強み(コア・コンピタンス)」の確認、「支援してくれている顧客(パートナー)」の見直し、「自社内の素材(インナー・ベンチマーキング)」の点検、「組織自体の効率化(チームマネジメント)」などが挙げられているが、重要なのは企業がそれをどう展開し、グループ・パワーをどう発揮すべきかである。
 時代変化(時の流れ)に気づき、今起こっている瞬間を切り取ることがポイントとなるが、既存の調査方法だけでは限界がある。
 マーケティングインテリジェンスを意識した調査とは、世の中の潜在性に気づくこと。そのためには、情報収集に知恵と工夫が必要である。

マーケティングインテリジェンスの実際

玉川 圭治 氏 講演者紹介

玉川 圭治 氏

トヨタ自動車株式会社
未来開拓室 調査・企画グループ長
1992年4月 神戸大学経済学部卒業後、トヨタ自動車(株)入社
経理部に配属され、新型車の原価企画業務を担当
1997年7月 調査部に異動
日本・欧州の市場予測・調査業務を担当
2008年1月~2010年12月 欧州業務の現地統括会社であるトヨタモーターヨーロッパに出向
商品企画・マーケティング・市場調査部署を担当
2011年1月~2016年4月 調査部に異動
日米欧中の市場調査、中長期戦略に資する調査・分析を担当するグループを統括
2016年4月 組織改編に伴い新設された未来創生センター未来開拓室の調査・企画グループを統括

●講演内容

インテリジェンス機能とは、会社の進むべき方向を指し示す「意思決定の羅針盤」

 インテリジェンス機能が会社で果たすべき役割とは、社内のマネジメント層が意思決定をする際の拠り所となる情報を提供することである。つまり、会社の進むべき方向を指し示す「意思決定の羅針盤」と言える。
 取り組む領域は多岐に渡り、長期を含めての時間軸を考える視点や、コンペティター、マーケット等の動向を把握することが必要である。マーケティングインテリジェンスが特に取り組む領域はまさにマーケットであり、市場・お客様の動向をいかに掴むかが重要である。

意思決定の羅針盤となり得る“いい調査”をやるには、専門性やスキルが必要

 お客様の声を聞くには、定量調査や定性調査が必要になる。
調査は特別なものではなく、誰にでもできるものだが、マーケティングインテリジェンスとして、意思決定の羅針盤となり得る“いい調査”をやるには、専門性やスキルが必要になる。
 マーケティングインテリジェンスのための調査に必要な条件としては、①対象者(意見を聞く相手)、②質問方法、③分析・レポートにプラスし、問題意識と仮説構築が挙げられる。

 対象者の設定については、調査で集めた人が日本の縮図になっていること(代表性)、時系列でトラッキングしていく場合は対象者の条件設定をずらさないこと(連続性)、予算の中で何サンプルに聞くのかを判断すること(サンプル数)が非常に重要になる。
 質問方法については、回答者の意見を正しく取れる範囲の質問時間、継続性のある選択肢の設定と回答者に違いが分かる質問形式、回答者が答えやすい質問フローが、正しい結果を得るためのポイントとなる。
 分析・レポートについては、結論・メッセージが明確か、分かりやすいかということがポイントである。調査で何が知りたかったか、何がポイントだったかを分かりやすく説明することが、調査結果を活用してもらう上で重要なことだ。

 これらの要素を考えるために最も重要なのが問題意識・仮説構築で、調査で何を明らかにしたいのか、何が目的なのか、何に使うのかをはっきりさせることが必要である。普段からの情報収集や情報を整理して、調査としてやるべき課題を先鋭化させることが、非常に重要になってくる。

問題意識・仮説構築、課題先鋭化のためのプロセス(①-②=③)が重要

 「①仮説・知りたいこと」から「②これまでに分かっていること」を引いた時に初めて、「③今回の調査で明らかにしたいこと」が出てくる。
 仮説の段階でさえ、ただお客様の声を聞きたいという曖昧なケースが多いが、「①仮説・知りたいこと」の段階では、意思決定・判断に資するレベルくらいまでの項目を押さえる必要がある。
 ありがちなのは「②これまでに分かっていること」を別の調査で聞くということで、結果、これまでと内容の変わらない、ニュースのない調査結果となることが多々ある。それを避けるためには、既存の調査結果やデータを最大限活用し、今回調査しなければ分からないことをクリアにする必要がある。
 「③今回の調査で明らかにしたいこと」は “いい調査”のための重要なポイントで、この調査で何を聞く必要があるかを先鋭化させるというステップになる。

マーケティングインテリジェンスとしてこれから考えなければいけないことは、大きく2つある。

 1つは世の中の変化。市場や競争環境は劇的に変化しており、新しい変化に対し、過去からの延長だけで判断するのは難しい時代になってきている。
 2つ目は調査環境の変化。これまで定量、定性というやり方を取っていたが、ビッグデータの時代になってきて、入ってくる情報と今まで持っている情報をどう活用していくかが課題となっている。SNSなど、取れる情報の質も大きく変化している中、仮説構築に加え、変化の芽や新しい切り口、潜在ニーズをどう把握していくのかがより重要になる。
 定量調査は自分達で質問項目を考えるため、自分達の中で想定している枠を出ない。なので、定性調査を中心に変化の芽や新しい切り口、潜在ニーズを発見するための手法の検討が必要ではないか。

画像を使ったマーケティングアプローチについて

古波津 勝彦 氏 講演者紹介

古波津 勝彦 氏

株式会社KAI/株式会社しゃらぽ 代表取締役

 日産自動車では、経営直轄の経営変革チームであるクロスファンクショナルチーム(CFT)に参画し、主にセールス・アフターセールス領域における様々な経営改善を経験した。
 独立後、現在は株式会社KAIと株式会社しゃらぽの2社の代表を務める。信頼性向上の考え方に基づく実効的なリスクマネジメントの導入、マーケットアンダースタンディングとバリューチェーン全般の幅広い経験に立脚した、事業立案とオペレーションを巻き込んだ実行力が強み。

株式会社KAI/株式会社しゃらぽ 事業概要

製品・サービスリスクマネジメント構築サポート
  • 信頼性・安全性・未然防止マネジメント
  • 品質改善・現場力向上 (Operational Excellence)
  • 危機発生時における事業継続体制 (BCP/BCM)
マーケティング戦略構築サポート
  • 事業領域におけるマーケット特性理解のための調査
  • Market Intelligence (MI) を基にした戦略立案・展開
  • 顧客関係性構築マネジメント構築支援

マーケットインテリジェンスを必要とする全ての会社に

 ビッグデータをどんどんためていくものの、出てきたデータで何が分かったのか分からない、得たデータをどう使っていいか分からないという話をよく聞く。それを解決するツールの1つとして、画像を使うことは有効である。

 お客様の話を聞きたいとなると調査やビッグデータの導入などの手段から入るが、市場情報に基づく市場理解の知見が、戦略・オペレーションに反映されないという事態が必ず起こる。
 市場を理解しその特性を見抜くためには、情報を最大限活用することが必要である。
調査結果の中立性確保、マーケットデータ集約と利便性向上、Expertiseの継続的向上、調査コストの全体最適化をすることで、MIの機能がしっかりと保てるのではないだろうか。

 昨今のマーケティングオートメーション化で、購買行動情報のビッグデータを使って誰がいつ何を買うかを予測し、買いそうなタイミングでアプローチをしていくが、その結果、受け手側はたくさんのメルマガや広告宣伝に晒される。だが、それは本当に受け手にとってうれしいことなのだろうか。
 そもそもCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)の目的は“お客様と仲良くなること”。人と仲良くなるには、相手の人となりを理解するところから入るといいのではないかということから、「しゃらぽ」の開発につながった。

「しゃらぽ」:映像を活用した消費行動分析・CRM支援ツール

 「しゃらぽ」はカスタマーの行動観察や分析、お客様との関係構築を支援することを目的とし、リテンションビジネスをやるために、写真を使ってお客様との関係を構築するツールである。
 従来のCRMシステムでは「いつ、誰が、何を買うか」を自動的に収集する。また従来のマーケティング・リサーチでは、カスタマーインサイトを知るために、対象者に質問し、想起して回答してもらうが、その場合、思い出さないと回答されず、そこに誤差が生じてしまっていた。

 そこで、消費に近いシーンを取るために写真を使おうと考えたのが「しゃらぽ」であり、シーンをしっかりと拾ってくることで、お客様が消費をすることによって満たすニーズや、いつ誰がどのような消費をしているかを捉えられると考えた。
 今まではSNSに上げていた写真をこちらに送ってもらう動機付けとして、ミッションに沿った写真を送ってもらい内容が合致していたらポイントを付与する。
 写真を得られると情報が取れるようになり、それをデータベースで保管して分析し、いろいろなアクティビティに反映していこうという仕組みになっている。
 さらに写真が集まってくるので、例えばダッチオーブンについて調べた時に写真がずらっと出てくると、ダッチオーブンの購買意欲に繋がるという、プル型のマーケティングができるのではないかとも考えている。

 生活のシーンを映すもののデータをしっかり取って、システマチックに分析していこうと考えているのが「しゃらぽ」であり、それによって判別することは、シーンやどういう人が買っているのかということである。
 想定されるユーザーは、主にB2Cをやっている企業、もしくはB2B2Cをやっている企業の中で、お客との関係構築を必要としている業界である。
 最終的には、写真を撮って送ってもらい、それによって企業側からアクションを取って、またお客側からレスしてもらう、さらに企業側からお客にミッションを出す、というようなやり取りを目指したい。

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株式会社 日本リサーチセンター
担当 小宮山・上田
TEL 03-6667-3400(代表)
お問い合わせ専用Eメール information@nrc.co.jp
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