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NRCプレゼンス

NRCプレゼンス「イノベーション創出を促す基本発想」

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 イノベーション創出は企業の大きな課題で、既存の調査のみではイノベーション創出(新機軸のサービスや新たな価値観の創出)は難しい。
 新機軸・新提案を考えるには、人間の行動における80~90%の無意識な部分をどう観察し、声なきニーズとして拾っていくかが非常に大切である。
 手法としては行動観察調査やエスノグラフィック調査が取り入れられているが、その中でUX(User-Experience)のデザイン、UXのリサーチが最近の潮流になってきている。

ユーザー体験から、新しい価値を開く

イノベーション創出を促す基本発想~仕事習慣の変革から

田平 博嗣 氏 講演者紹介

田平 博嗣 氏

株式会社U’eyes Design
代表取締役社長
博士(工学)。専門は人間工学(工業デザイン領域)。事業および製品・サービスのイノベーション創出支援に向けたデザインコンサルティングに従事。共著に消費者行動の科学(東京電機出版局)、サービス工学-51の技術と実践(朝倉書店)、UX×BizBOOK-顧客志向のビジネス・アプローチとしてのUXデザイン-(マイナビ出版)などがある。

●講演内容

人間要素、生活者視点で考えること

 我々の日常生活は絶え間ない意思決定と行動の連続であり、人がなぜその商品やサービスを選択して使うのかというメカニズムが、イノベーション創出に役立つのではないだろうか。イノベーションをおこすには、人間要素、生活者視点で考えることが必須であり、人間を知るという点が非常に重要である。普段の仕事の進め方や、製品・サービスを開発する時に、どのようなデザインにすると消費者に受け入れられるかを、人間の特性から考えたい。
 人は身体能力的にも認知能力的にも非常に脆弱な存在である。加えて、短期的な利益をより過大評価し、エネルギー摂取を最大化して支出を最小化しようという傾向にある。つまり、なるべく身体コスト・認知コストをかけたくない、難しいことも考えたくない、リスクは避けたいというのが、生存のために重要な人間の本能なのだ。

従来の制約を捨て去ろう

 人間の脳は直感型の認知プロセスと分析型の認知プロセスがせめぎ合っている。それらは日常生活の中で、およそ90%と10%のバランスで動いており、人間は大部分が直感型認知プロセスで日常生活を送っている。判断速度が速くマルチタスクである直感型の認知プロセスは、過去の経験を使って判断をする。分析型認知プロセスはシングルタスクであり、時間圧や眠気、疲労に弱いため、これらの条件下では直感型認知プロセスが優位に働く。
 人間は短期的利益をより過大評価し、経験則で自動的に無意識で動いた方が楽だと体に染み付いている。そのため、認知コストや時間、空間、お金など、いろんな生活資源の投入が小さくなるようにデザインしないと人は動かない。
 生産者の場合も同じで、意思決定をしなくて済んでしまう従来の仕事の進め方や習慣に頼ってしまう。だが、従来の制約を捨て去って、イノベーション創出に挑んでもらいたい。

イノベーションを創出するために

  • 強い意志と目的
    時代に合った革新を目指し、それを達成しようとする強い意志を持つ。
  • 豊かな経験
    創造は過去の経験に基づいており、何もないところからの創造はない。頭の中だけでは考えずに常に行動し、周りを観察することを心掛ける。他人の経験も取り入れて活用する。
  • 不完全な記憶とデータ
    脳は記憶の正確さを犠牲にしてでも創造的に生きることを選んだ。欠落しているデータをグッドストーリーとして説明するために、物語を作ることが創造につながる。

体験ワークの重要性

 人間は目の前の細かい事象や一面的な見方にとらわれがち。ものごとを多面的に捉えて創造力を高める体験ワークを行う必要がある。具体的には、常識のタガをはずし、抽象化して汎用化するスタッフワークの発想を身につけねばならない。
 例えば体重計を開発する場合、テクノロジーで考えると精度を高めることを目標とするが、体重計にそこまで精度が必要かを考えなければいけない。抽象度を上げるというのは、体重計に乗る意味を考えることである。体重計に乗るということは、ダイエット、疾病予防、美容に気をつけているからで、それはいつまでも健康で若々しいことを目標にしているのではないか、というように抽象度を高めていく。そうすれば体重だけでなく、続けられる運動、正しい食事、良質な睡眠、体脂肪計、リラックスする、笑うなど、いつまでも健康で若々しさを保つためにプロダクトとしてサポートできるものは何か、どういうサービスが必要であるかを考えることができる。これが抽象化の重要性だ。
 何を提供したいかを抽象的に考え、プロダクトではなく、社会や生活にどういう革新をもたらしたいかを考える癖をつける。そのために抽象化して汎用化する体験ワークは重要である。

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