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NRCプレゼンス

NRCプレゼンス 「ビッグデータ時代のマーケティングリサーチデータの価値 ~人工知能(AI)ブームに踊らされないために~」

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 デジタル技術の進展でビッグデータを保有できるようになった。それに伴いマーケティングデータも大量になり、かつ多岐化している。データ収集の基幹を担っていたコンパクトなリサーチデータも、時代に沿った新しい価値/機会の創造に貢献しなければならない。
 そこで、コンパクトなリサーチデータがビッグデータと共創してイノベーションを起こすには、どのようなことを意識すればよいのだろうか。また、人工知能(AI)をどう活用すればよいのだろうか。そのフレームワークを考えた。

データ市場から考えるマーケティング・イノベーション
~人工知能ブームに踊らされないために~

●講演者

大澤 幸生 氏

東京大学 大学院工学系研究科 システム創成学専攻
教授

1968年生まれ。東京大学工学部卒、1995年同工学系研究科博士(工学)取得。大阪大学基礎工学部助手、筑波大学ビジネス科学研究科助教授、東京大学大学院情報理工学研究科特任准教授などを経て現職。専門は 人工知能、意思決定支援、システムデザイン、知識工学。チャンス発見、創発システムデザインなどを研究。IMDJ(※1)を提唱。

早矢仕 晃章 氏

東京大学 大学院工学系研究科 システム創成学専攻
助教

1988年生まれ。東京大学工学部卒、2017年同工学系研究科博士(工学)取得。東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻にて助教に着任。

※1 IMDJ:Innovators Marketplace on Data Jackets(データジャケット)
http://www.panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp/research.html

●講演内容

「ビッグなデータがある」ということが本質ではない

 世の中にはたくさんのデータがあるが、ビッグなデータよりも、コンパクトなデータの方が重要である。1つのデータだけで巨大なものもあるが、ほとんどのデータはそれほど大きなものではない。Twitterなどは地球全員に対して答えてもらうようなことをしているが、実は無計画に意見がどんどん入ってくるだけであり、計画的に必要な意見をもらうものではない。

大多数の人はAIの本質を見抜けていない

 25年間AIを研究してきた立場から見れば、現在のAIブームは戦略的に作り出されたものである。
 データマイニングの技術をいろいろ使って分析してきたが、得られた結論は「学習」しかできないということ。つまり、過去のパターンは学習できるが、未来に何を作るべきかということは学習では見えてこない。
 まだ言葉になっていない新しい概念も含めて、商品化するときには人間の力がますます必要だ。一種のAIを使ってはいるものの、そこにいかに人が乗り込んでいくか、またそれが有効に働くかをこれまで積み上げてきた。中でも人間のコミュニケーションの力は偉大である。

データだけではイノベーションは実現しない

 人間の知識や経験的なノウハウといったものを、どのようにデータと結合させてイノベーションにつなげていくかということが重要である。
 しかし、誰がどこにどのようなデータを持っているのかを知ることは難しい。そこで、「まずデータの名刺を交換しましょう」というのが大澤研究室の研究=「データジャケット」の基本コンセプトである。
 データジャケットの中には、オープンデータに代表されるような共有可能なデータもあれば、既に売買が行われているようなデータ、この人となら共有してよいというように交渉によって共有可能なデータなど、多種多様なデータが存在する。
 データのタイプもさまざまで、CSVのような表形式のデータ、非構造化のテキストのようなデータ、ある程度整理されているRDBのデータ、XMLなどのデータが存在している。
 データの名刺を交換しただけでは、データによるイノベーションや異分野データ連携が促進されないので、そこに人間の知識や経験的なノウハウをどのようにデータと結合させてイノベーションにつなげていくか。さらに、最終的には実データの交換や売買が行われて、データによるイノベーションや異分野データ連携が促進されるという仕組みまでを、私たちは提案している。

リサーチデータの価値を引き出す課題解決のアプローチ

日本リサーチセンター 営業企画2部 チームリーダー 小口 裕
 リサーチデータはコンパクトデータであり、その特長はデザインができることである。しかし、漫然とデータを取るだけではコンパクトデータにはなり得ない。問題をしっかりリサーチし、デザインを深めていくプロセスを経なければリサーチデータはマーケティング活動には貢献しない。
 複数のデータが有機的に結び付いて循環しながら共存共栄を考えていくエコシステムの中で、リサーチデータがどうあるべきかを考えていく視点が非常に重要である。リサーチがマーケティング活動に貢献するには、SNS、メッセージアプリ、WEB、スクレイピング技術、CRM、営業日報などの企業に自然に蓄積されるデータと結び付きながら歩まねばならない。一方で、リサーチデータは設計情報が明らかなため、有機的に結び付かせるための流通をさせやすい。今後は、二次流通、三次流通を意図したリサーチデータの設計も発想していく必要がある。
 データを組み合わせるために、データの蓄積や高速処理が必要となる。今後は加工段階でマーケティング成果を実現する環境をしっかり構築していくことも重要になる。当社はこれを「リサーチ・エンジニアリング」と位置付けている。データ加工で人工知能への期待は大きい。しかし万能解ではない。加工にも人手を介し、最終的に使い手である人が解釈できるか、人肌に合っているかというフィルターが必須になる。そこに着目して人肌、人知が動くような仕組み作りあげたい。

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