マーケティング・リサーチに役立つ用語

定量データ/定性データ

執筆者:株式会社日本リサーチセンター

マーケティングリサーチでは、消費者行動の広さを把握する「定量データ」と深さを読みとる「定性データ」の2つがあり、調査課題に応じて収集する(したい)データは使い分けられます。

定量データとは

 「定量データ」とは、商品の市場占有率や売上高など数値として把握できる情報を指します。数値データであるため、時系列や性別・年齢など顧客別に細かく加工し比較することが可能となり、あらゆるマーケティング戦略の基礎データとして活用されます。以前は分析するためのデータを収集するために様々な調査の工夫を施しましたが、テクノロジーの進化によりわざわざ収集しなくても生活履歴(ログ)などが蓄積される環境になりました。データの扱いは個人情報保護の問題も絡み自由に活用しにくいですが、少なくとも「定量データ」から導き出される分析結果への期待は高まっています。

定性データとは

「定性データ」とは、「購入した商品のどこが気に入ったか」「商品のパッケージデザインは使いやすいか」「なぜこのお店でよく買うのか」などのように、数値に表せない質的な情報です。したがって、消費者の購買意識などを分析するデータとして活用されます。消費者行動の広さを把握するのが「定量データ」であるならば、消費者行動の深さを測定するのが「定性データ」といえます。

データを収集する仕組み(システム)が問われる時代

消費者の購買行動は、そのライフスタイルやライフステージによって異なります。市場が成熟する前であれば、「定量データ」中心にした分析による商品やサービスの開発であっても、何とか一定の市場占有率を確保することが可能な時代がありました。しかし、マーケティング要因が複雑・高度化し、消費者ニーズの多様化が続いています。マーケティングも多品種少量生産・販売対応型に転換しさらに進化し続けています。そのため、「なぜこの商品が売れているのか」といった仮説検証の購買決定因子発見のためには、消費者の購買行動に関する「定量データ」に加えて、消費行動心理や社会行動心理といった「定性データ」が非常に重要な役割を持ってきています。このような「定性データ」は、マーケティング・リサーチによって収集するだけではなく、日頃からお客様の反応をチェックし、それを「定性データ」化するようなシステムを作り上げておくことが重要となるのです。

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