第12章 マーケティング・リサーチと解析手法

[リサーチ手法6] グループ・インタビュー

定性調査の代表的な調査手法。定量調査との組み合わせでより効果的な成果が期待できる。

グループ・インタビューとは
 定性調査における代表的な調査手法であり、モデレーターと呼ばれる司会者の進行によって、複数(六〜七人)の対象者が座談会のような形式で自由に発言し、それらの内容やその相互関係から調査テーマに関する仮説を導き出す調査手法です。特定の話題やテーマに絞り、その流れやタイムスケジュールなどを決めて進めるグループ・インタビューを「フォーカス・グループ・インタビュー」といい、グループ・インタビューというときには、これを指すのが一般的です。

グループ・インタビューの特徴
 グループ・インタビューには、@原則として出席者の発言に特別な制限はつけないため、多様で自由な発言が期待できる、A対象者同士の発言によって触発し合い、話題が一層発展するといったメリットがあります。一方で、@他人への遠慮などから話題がある程度までしか深まらない、Aグループ内での多発言者の意見に引きずられて、本音の意見が出ない、B司会者の導き方が未熟なため、話題が関係ないところで盛り上がり、肝心なテーマに関する発言が収集できなくなる、といった結果にならないよう留意が必要です。そのため、対象者の自由な発言を重視しながら、テーマに関連した役立つ発言を引き出すためには、グループ・インタビューの成果をどのように活用するのかを、事前に明確にしておくことが重要です。

グループ・インタビューの利用法
 新製品開発コンセプトの発見といった、やや曖昧なマーケティング課題に対する仮説づくりに利用されます。グループ・インタビューから導き出された成果はあくまでも仮説であり、仮説に該当する消費者が市場の何パーセントを占めるのかといった数値的なデータに裏付けられたものではありません。そのため、アンケート調査などの定量調査と組み合わせることによって、より効果的な成果を得ることができます。