NRCレポート

将来の介護に関する調査②
~将来、配偶者の介護を誰に頼みたいか~

(2023年3月調査)
生活・ライフスタイル

公表日 2023年04月12日

日本リサーチセンター(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:杉原 領治)は、1960年に設立された民間の調査研究機関であり、民間企業および官公庁、大学をはじめとする学術機関などの依頼を受け、各種の調査研究を行なっています。 

このたび、当社の自主調査として、「将来の介護に関する調査」を企画・実施しました。

全国の40歳~64歳の男女を対象に、①将来、自身の介護を誰に頼みたいか、②将来、配偶者の介護を誰に頼みたいか

と、その理由を尋ねました。これらの調査結果を、2回に分けてご紹介します。

1回目の調査結果はこちら⇒【将来、自身の介護を誰に頼みたいか】



    【②将来、配偶者の介護を誰に頼みたいかの調査結果サマリー】

課題:配偶者の介護を頼みたいと思う先は同じなのではないか
(男女ともに、配偶者の介護を「ヘルパー」に頼みたい)

⇒結果は、男性は「自分が介護をしたい」(32.8%)が最も高く、
女性は「ヘルパーなど介護サービスの人」(53.1%)に頼みたいが最も高い。



    【調査結果詳細】

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全体で見ると、
▶「ヘルパーなど介護サービスの人」(42.0%)が最も高く、
以下「自分が介護をしたい」(31.3%)、「子」(7.1%)の順となっている。
▶「特にない」は17.3%だった。



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性年代別で見ると、
▶男性は「自分が介護をしたい」(32.8%)が最も高い。また、「子」(11.1%)が、女性(3.6%)よりも高く、 「特にない」(23.7%)も、女性(11.7%)より高い。
▶女性は「ヘルパーなど介護サービスの人」(53.1%)が最も高く、男性(29.4%)よりも高い。
▶年代が低いほど、「特にない」が高い傾向にある。



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全体で見ると、
▶「家族だと気心が知れているため」(58.4%)が最も高く、以下「家族の者だけで十分な介護ができると思うため」(18.8%)、「ヘルパーなどを利用するだけの金銭的余裕がないため」(18.8%)、「他人に家庭に入ってきてほしくないため」(18.3%)などの順となっている。

性別で見ると、
▶男性は「家族の者だけで十分な介護ができると思うため」(23.6%)が、女性(13.1%)よりも高い。



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全体で見ると、
▶「家族・自身の肉体的負担を減らすため」(65.2%)が最も高く、以下「家族・自身の精神的負担を減らすため」(56.3%)、「ヘルパーなどの対応やスキルに安心感があるため」(43.2%)などの順となって
いる。

性別で見ると、
▶男性は「家族・自身に気がねしてほしくないため」(34.8%)が、女性(24.9%)よりも高い。



      【リサーチャーはこう見た!】

    自身の介護や、配偶者の介護を誰に頼みたいかで 、男性と女性で価値観の相違があるのではないかと思い、
    今回の調査を実施した。結果として、やはり男女で相違はあったものの、単純に、相違があったというだけで終わらせるのではなく、その理由としてどのようなものがあるのかを知りたいと思った。今回の調査では明らかにはできないが、どのような理由で生じたかを自分なりに考えてみた。
    ・女性は、介護において、家族や自身の肉体的・精神的負担を減らすことに重きを置いており 、そのために、自身や配偶者の介護を「ヘルパーなど介護サービスの人」に頼みたいという傾向 があった 。つまり、自身や家族の肉体的・精神的負担を減らせる環境づくりを家庭内で進めていくことができれば、必ずしも外部の介護サービスに頼りたいというわけではないのではないかなと 思った 。例えば、見守り・介助ロボットのさらなる普及や、介護による精神的負担を減らすための相談先の確保などは、介護の肉体的・精神的負担を軽減するうえで、重要に なって くるのではないかと 思った 。
    ・また女性は、日本の男女の平均寿命が、女性のほうが長いことから、配偶者よりも長く生きるかもしれないことを考慮し、「ヘルパーなど介護サービスの人」に 頼みたい傾向もあるではないかと 思った 。
    ・男性は、介護において、気心が知れていること、家族の者だけで十分な介護ができることに重きを置いていることから、自身の介護を「配偶者」に頼みたく、配偶者の介護については、「自身が介護したい」という傾向が女性よりも高かった。心理的な安心感を求めるのであれば、「ヘルパーなど介護サービスの人」でも、コミュニケーションスキルを磨き、そのことを周知してもらえるような働きかけをすることで、心理的な安心を求める人でも、外部の介護サービスを依頼しやすくなり、介護をする側・される側との間で、信頼関係を結ぶことができるのではないかと 思った 。
    ・また男性は、女性に比べて、「特にない」も高かった。これは調査前に予想していない結果だったため、どう解釈したらよいか難しい部分もあるが、例えば、介護についてまだ真剣に考えてないといったこともあるのかもしれない。
    ・以上のように、男性と女性で、回答傾向に違いは出たが、その背景を知り、それぞれが求めるものを、「こういう形でも実現できるのではないか」と考えていくことで、少しでも多くの人が納得できるような、介護の環境を作っていくことが望ましいのではないかと、今回の調査を通して感じた。 また 機会があったら、このような調査をしてみたいと思う。



    調査概要
    調査方法
     インターネット調査
    調査対象
     当社アンケートモニターのサイバーパネル会員(全国の男女40〜64歳)
    有効回収数
     1,611人(サンプル)
     ※2022年1月1日住基(日本人)を基に人口とエリアで割付
    調査期間
     2023年2月17日~2月24日

    調査結果の詳細はこちら↓

    将来の介護に関する調査_報告書.pdf



    ※インターネット調査についてや、調査の見積依頼等はこちらをご覧ください。

    【インターネット調査/ネットワークパネル】



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