第2章 マーケティングと企業戦略

[マーケティング・マネジメント1] マーケティング・システム

想定したターゲット市場において所期のマーケティング目標を達成するための組織体制やシステム。

マーケティングシステムとは
 想定したターゲット市場において、所期のマーケティング目標を達成するための組織体制やさまざまなシステムなどを総称したもので、次の4つが代表的です。

@マーケティング部門 マーケティング全体をマネジメントする部門です。営業担当、市場調査担当、販売促進担当、顧客サービス担当、マーケティング・プランニング担当などで構成されます。
A情報システム マーケティング部門が効果的な活動を展開するための情報システムです。顧客からの問い合わせや注文の処理、マーケティング情報の収集、市場規模や自社の販売可能性の予測、顧客や販売業者などの調査、売上・損益実績の分析などを効率的かつ的確に実施できるシステムを構築します。
Bプランニング・システム 事業部全体の年間売上・利益目標や事業戦略、戦術を策定、検討、承認するシステムです。つまり、いつ、誰が、どのような形でプラン(計画)を策定→検討→承認するのか、といったルールや役割分担を決めて実行していきます。全体の目標が承認されると、地域や個々の営業担当に割り振られます。また、マーケティング予算も、マーケティング・ミックスの各要素別と地域別に配分されます。
Cコントロール・システム 業績を把握するとともに問題点を明らかにし、また効率を向上させ、必要なときに是正措置を取る仕組みです。例えば、マーケティング・ミックスは正しいのか、営業部門は時間を有効活用しているのか、広告宣伝費は効率的に使われているのか、地域別に格差があるのはなぜかなどの問題を指摘し、それを調査・分析します。プロジェクト・チームを設置して定期的に実施する場合と、事業部内に独立した部門を設置して恒常的に実施する場合があります。