第2章 マーケティングと企業戦略
[マーケティング・マネジメント2] マーケティング計画
マーケティング計画とは
マーケティング計画をより効果的なものにするために、あらゆる活動が、設定されたマーケティング目標の実現のために展開されるよう、事前に統一的に組み立てられた計画を指します。マーケティング計画の一般的な構成は次のようなものです。
@エグゼクティブ・サマリー 計画書の冒頭で、計画の概要を把握してもらうための要約文です。
A状況分析(現状分析) 前年度の実績報告及び評価のことです。売上、利益、マーケット・シェアなどを時系列(前年比較)や計画との対比で評価します。また、最近の市場動向や環境変化などを「機会と脅威」および「自社の強みと弱み」などの形で分析、評価します。
B目的と目標 自社が市場において実現すべき目的や目標であり、数値データなどで極力具体的に表現します。わかりやすい例は、対象とすべき市場分野や売上目標、利益目標です。
C戦略 次に、目的や目標に到達するための総合的な戦略を策定します。どの商品を主力とするのか、販売チャネルをどのようにテコ入れするのか、といった方法論を明らかにします。
D行動計画 戦略を具体化する行動計画です。例えば、ある商品の売上を20%伸ばすために広告の出稿量を20%増やすとか、小売店に対する販売促進費を30%増やすなどの計画を立てます。
E予算 行動計画に沿って予算計画を作成します。この場合、売上高予測と固定費、変動費などの支出計画に基づく損益計算書の形式を取ります。この予算が承認されると、原材料費、人員計画、マーケティング活動などが具体化されます。
Fコントロール 計画の進捗状況をコントロールするために、月別の計画を立てます。この進捗状況の管理こそ、計画の成否の決め手となるものです。