第3章 市場戦略と市場構造
[注目市場2] 中食市場
中食とは
レストラン等における食事(外食)と家庭での手作りの食事(内食)の中間にあたる食の形態で、具体的には、惣菜や弁当等の調理済みの食品を買ってきて食事をすることをいいます。まだ、内・中・外食を合計した食市場全体の中では小さい市場ですが、急速に拡大している分野と言えます。
中食市場拡大の要因
中食市場が拡大している背景には次のような事情が想定されます。@女性の社会進出が加速し、調理に時間をかけられない人が増加A中食商品の味・鮮度などの品質の向上Bコンビニエンスストアでの弁当・惣菜の取り扱い拡大と相次ぐ外食産業の新規参入――
保存・配送技術の高度化が味の面でもレベルを上げ、店舗・メニューの増加は選択肢の拡大につながり、消費者が気軽に利用できるようになった。
中食市場の今後の課題
最近ではスーパーにおいて、惣菜などを単品で販売するのではなく、サラダ、デザート、飲料などとという食事全体に関わるものを集めて提供するサービスも現れており、中食市場をめぐる動きはいっそう加熱しています。
安定的な成長のためには、さらに市場を拡大する必要があり、例えば高齢者に向けた商品・サービスの展開も必要になるかもしれません。また、味やメニューといった面での改善にとどまらず、健康や安全に対する配慮や、低カロリー化といった面での改良も重要な課題です。