第4章 商品政策と製品ライフサイクル
[商品全般] 商品政策とは―マーチャンダイジング
5つの適正
商品政策は「マーチャンダイジング(MD)」とも言われ、マーケティングの基本となるものです。AMA(アメリカ・マーケティング協会)では、マーチャンダイジングを「適正な商品またはサービスを、適正な場所で、適正な時期に、適正な数量を、適正な価格で、マーケティングすることに関する諸計画である」と定義しています。
これらは、一般に“5つの適正”と呼ばれるものですが、これら5つの適正の基準となるのは、その商品が想定している顧客ターゲットから見た基準なのです。最近では、この商品政策あるいはマーチャンダイジングという概念は、流通・小売業に限定して使われるケースが多く、製造業者の場合は製品戦略という概念を用いるケースが多くなっています。
商品政策展開のポイントは次のようなものです。
戦略的な品揃え
消費者ニーズの把握が重要と言っても、肝心の消費者自身が自分のニーズをはっきり自覚していないケースも多くあります。それだけに、品揃えをする側が明確な意図を持つことが重要であり、更にその意図が消費者にはっきり伝わるよう働きかけることが不可欠となってきます。そのためには、消費者ニーズを日常的に収集するシステムの構築とともに、品揃え担当者の生活感性がより重要となります。
迅速な商品管理
POSデータの活用などが端的な例ですが、最新情報を基に消費者の動向を読み取ることによって、売れ筋・死に筋商品をすばやく把握し、それらを生産計画・仕入れ計画に的確、迅速に反映させることが重要です。
効果的な販売計画
商品政策は、販売計画と表裏一体のものです。販売手法や販促計画、広告・宣伝計画との整合性を綿密に図ることによって初めて商品政策は企業収益として実現されることになるのです。