第4章 商品政策と製品ライフサイクル

[商品開発1] 商品開発コンセプト

ターゲットとなるユーザー層、シーン、使用のベネフィットを統合する基本的な考え方。

商品開発コンセプトとは
 商品の素材や形態、機能といった開発仕様を設計する前段階において、@新商品が想定するユーザー層A新商品を利用するシーンB新商品使用のベネフィット――といった商品開発のための基本的な考え方を示したものです。
 そのため、表現方法が情緒的、感性的なものとなるケースも多くあります。新商品の素材や機能、デザインといった実際の商品開発仕様は、この開発コンセプトに沿って決められることになります。したがって、新商品がヒット商品になるかどうかのカギは、この商品開発コンセプトが握っているのです。
 今日の消費者は、自分に最適な商品を選ぶ確かな選択眼を持っています。商品開発コンセプトが消費者ニーズに十分対応していなかったり、明確でわかりやすいものになっていなければ、消費者から選ばれない商品になってしまいます。

商品コンセプトの検討手順
 商品開発コンセプトは、以下のような手順により検討されます。

@アイディアとしてのコンセプト選定・・・さまざまなアイディアから複数のコンセプトを選定します。

Aアイディア・コンセプトの絞り込み・・・複数のアイディア・コンセプトを、モニターユーザーなどの反応を参考にして絞り込みます。絞り込みの基準は「ユーザーの共感性」「競合商品への優位性」「時代の反映性」などです。

Bコンセプトの改良・・・モニターユーザーの反応などから高得点のアイディア・コンセプトを改良して開発コンセプトに仕立て上げます。