第6章 流通政策と関連法規

[流通戦略1] 流通チャネル政策

メーカーは自社商品の最適な販売ルートを戦略的に構築しなければならない。

流通チャネルとは
 商品がメーカーから消費者へと流通する経路を指します。メーカーは商品が効率的かつ効果的に消費者に届く最適な流通経路を考え、構築します。それが「流通チャネル政策」です。

直接流通チャネル
 流通チャネルは、まず直接流通チャネルと間接流通チャネルに分けられます。直接流通チャネルではメーカーと消費者が直結し、メーカーが消費者に直接販売します。この典型的な例として、インターネットを通じて顧客から直接オーダーをとるコンピュータ販売企業が挙げられます。
 必ずしも一般的な政策ではありませんが、訪問販売やカタログなどの通信販売を活用するケースも多くみられ、後発のメーカーが専門性の高い商品を販売するときなどに採用される戦略です。

間接流通チャネル
 間接流通チャネルでは、メーカー→卸売→小売→消費者というように流通業者が介在します。このチャネルは、多くの消費者に効率的に商品を届けられるため、主流になっています。その中でメーカーは商品の特性や市場への浸透度などを考慮して、さらに次のようなチャネルを戦略的に細分化します。
 @開放的流通チャネル 商品を扱う流通業者の制限をなくすことで、幅広い場所で販売しようとする戦略。日用雑貨や低価格で大量販売する商品に向きます。
 A選択的流通チャネル 流通業者をある程度絞り込み、販売する戦略。修理や保守などのアフターサービスが必要な商品(家電など)やブランド・イメージを高めたい商品に適しています。
 B排他的流通チャネル 卸売や小売を完全に制限して販売する戦略。メーカーの販売意図を明確に反映させたい商品や、厳密にブランド・イメージを管理したい商品に適しています。排他的な流通チャネル政策のひとつが系列化政策です。