第6章 流通政策と関連法規

[物流1] 新しい物流管理の動き

いろいろな商品を、必要な量だけ、より新鮮に、よりスピーディーに配送することが重要。

 メーカーや流通業者が、競合優位なポジションを確保し、消費者の品質重視志向や低価格志向の高まりにこたえるための新しい物流管理の動きが進んでいます。その具体例を紹介しましょう。

鮮度管理
 鮮度が商品力のひとつとしてクローズアップされる現在、鮮度を保つため、温度帯別配送など輸送手段の向上が図られました。在庫商品の鮮度低下を防ぐため、正確な需要予測と適切な配送計画がさらに重要になっています。

多頻度小口配送
 商品の鮮度が重視されると、在庫を多く持つリスクが高まります。また、消費者の多様化したニーズに対応するために、限られた店頭スペースに幅広い品揃えをする必要に迫られました。そこで店頭在庫を少なくして、きめ細かい補充で対応するために、少量の商品を頻繁に運ぶ物流が増加しました。一方で、配送コストを押し上げる要因にもなっているため、見直しの機運もあります。

共同配送
 複数の企業が、配送コストの削減などのために配送加工や配送を共同で行っています。メリットとしては、配送車両の削減、配送者の人件費削減、物流施設への投資削減、多頻度小口配送への対応力向上などが挙げられます。
 荷受けをする企業のメリットには、検品の効率化などがあります。共同配送は環境保全と交通混雑の緩和になるという社会的なメリットもあります。