第6章 流通政策と関連法規
[物流2] 在庫管理システム
重要性が増す在庫管理
多種多様な商品、消費者ニーズの多様化、メーカーの鮮度管理システムの進化などにより、在庫管理システムの重要性はますます高まっています。
在庫管理システムには、「実態管理」と「戦略支援」というふたつの役割があります。
実態管理面では、@在庫の正確な把握 A入庫管理 B出庫管理 C在庫割れ商品の把握(欠品の発生防止) D不動在庫の把握(不動在庫の発生防止)――などの役割があります。
戦略支援面では、売れ筋商品の発見とその仕入れ戦略への応用、需要予測に基づいた科学的仕入れ戦略の実践などの役割が期待されています。
このような役割期待に、リアルタイムで効率的に在庫管理を行うコンピューター・システムがこたえています。
ネットワーク化がキーワード
メーカー→卸売業者→小売業者という流通経路全体での効率化が追求される昨今では、ムダな在庫を減らし、納期を短縮するためのシステム転換が図られています。
そのキーワードとなっているのが「ネットワーク化」なのです。例えば、卸売業者と小売業者をネットワークで結び、商品の在庫数があらかじめ設定しておいた基準を割り込むと、自動的に仕入先への発注がかかり、商品が補充されるというシステムです。
この仕組みは1980年代にアメリカの小売業ウォルマートが開発したもので、「VMI(Vendor Managed Inventory=ベンダー主導型在庫管理)」と呼ばれ、日本の流通業にも導入されています。
同様に、メーカーと卸売業者をネットワークで結んで自動的に商品補充を行うシステムは「CRP(Continuous Replenishment Program=連続自動補充プログラム)」と呼ばれています。