第7章 販売形態と店舗施策

[販売8] 抱き合わせ販売

抱き合せ販売は独占禁止法が目指す「競争的な市場の確保」に違反している。

抱き合せ販売とは
 品薄の人気商品と売れ残りの不人気商品とをセットで販売することをいいます。人気商品と抱き合わせで不人気商品を半ば強制的に販売する行為は、独占禁止法違反である「不公正な取引方法の一般指定10項」に該当します。

一般指定10項
 独占禁止法では「相手方に対し、不当に、商品または役務の供給に併せて他の商品または役務を、自己または自己の指定する業者から購入させ、その他自己または自己の取引する事業者と取引するよう強制すること」を「抱き合せ販売等」としています。なお、次のようなケースでは、セット販売されていても一般指定10項の抱き合わせ販売とはなりません。
@それぞれの商品が別途単品で購入可能な場合
Aセットされることで別個の新しい商品価値を持つ、単一の商品となる場合
Bセットされるべき機能上、技術上の密接な補完関係、統合関係がある場合
の3ケースです。

独占禁止法
 正式名称を「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」といい、1947年に制定されました。流通・販売関係の中核となる法律で、大企業による独占や不公正な取引を禁止し、自由で公正な競争の実現を目指しています。
 軸となるのは、
@私的独占の禁止
A不当な取引制限の禁止
B不公正な取引方法の禁止
という3つの禁止事項です。抱き合わせ販売はBに該当します。