第7章 販売形態と店舗施策

[商業立地3] 店舗立地

小売業、外食産業を問わず、新規に店舗を出す際に最も重要な基準となる。

店舗立地とは
 商圏が潜在的な買い手である消費者の地域的な広がりを示すものであるのに対し、自店が出店する場所を「店舗立地」あるいは「商業立地」といいます。小売業、外食産業にとって店舗が成功するか否かは、この店舗立地が大きく影響します。店舗の売上を拡大し、販促効率を高めるには、より有利な場所に立地することが重要となります。

好立地の条件
 業種・業態により異なりますが、立地を決定する主な要因は、@業態、A価格政策、B品揃えなどです。出店を計画する際は、自店の特徴を踏まえた上で候補地域の立地特性を見定め、その立地に則した店舗プランの作成が重要です。

立地変動
 立地は固定されたものではなく、時に大きく変化するものです。鉄道や道路などの都市機能の変化、市役所や市民会館といった公共的施設の新設や移転などによって、立地も大きく変動する可能性を秘めています。そのため小売業は、都市機能の変化にいつでも対応できるような準備をしておくことが必要となります。

立地創造
 小売業における立地は、与件ではなく創造するものだという考え方であり、バブル時代に盛んに喧伝された発想です。小売業の店舗は、人が集まる場所に立地し、それらの人をいかに店頭に吸引できるかで勝負が決まるという伝統的な発想の見直しを迫るものです。消費者が求める商品を適切なサービスで提供すれば、必ずしも好立地でなくとも顧客は来店するものだという考え方ですから、決して間違った発想ではありません。
 しかし、バブル期に「消費者が求めている商品」、「適切なサービス」を都合のいいように解釈して、勝手な立地に進出した結果が、不良債権となって不況の原因をつくったのです。