第7章 販売形態と店舗施策

[業態革新1] 小売業態の革新(1)

1950年代からの小売業態の変化の流れ、戦後の復興から高度成長期。

小売業態の革新の流れ
 歴史的に小売業は、経済環境の変化や消費者ニーズの質的な変化に対応するため、常に自己変革、自己革新を繰り返すことで、新しい時代に即した新しい業態を生み出してきました。

@1950年代〜60年代前半(戦後からの復興と回復)
 50年代には、百貨店や一部の専門店を除くと、大部分の小売業は中小あるいは零細な商店で占められていました。しかし60年代に入ると、所得倍増計画のもと日本経済が回復拡大し、流通構造はメーカー主導による合理化、小売店の系列組織化が図られるようになりました。百貨店は店舗の大型化によるワンストップ・ショッピングの実現を図っています。
 一方、アメリカで発達した低価格・セルフサービスのスーパーマーケットが日本にも登場し、チェーン展開が本格的に始まったのもこの頃です。

A60年代後半〜70年代前半(高度成長期)
 日本経済の高度成長に伴い個人消費も伸び始め、“大量生産”“大量消費”の時代を迎えました。小売業態においても、量販店(GMS)と呼ばれる総合スーパーチェーンが急速に台頭し、全国各地に大型店舗を出店すると同時に、地方の中小スーパーを取り込み、規模の拡大を図ってきました。
 70年代前半に入ると、都市郊外の宅地開発が進み、郊外型の商圏が生まれ、新たな小売業態として、郊外型ショッピングセンターやホームセンターが出現しました。また、中小小売業間においてボランタリー・チェーン、フランチャイズ・チェーンなどの組織化の動きが盛んになってきました。