第8章 販売促進活動と売り場づくり

[販促手法7] キャッシュバック

「お金が戻ってくるおトク感」を刺激。ポイントサービスに導入する企業も。

キャッシュバックとは
 商品購入後に、現金が直接消費者に割り戻されることです。消費者に対して「お金が戻ってくるおトク感」を刺激する販促手法であり、試し買いの促進に活用されるほか、最近では固定客獲得手段の一つとして、さまざまな業界で導入されています。

キャッシュバックの仕組み
 大きく分けて、@商品購入時に“その場で”ある一定の金額を返金される場合と、A商品のマークやシール、商品パッケージのバーコードなど商品の購入を証明するものをメーカーに送るなどして、“後日”、商品代金の一部が返還される場合の、二通りの方法があります。
 最近では、顧客カードを活用したポイントサービス(商品やサービスの利用金額に応じてポイントが加算される)にキャッシュバック制度を導入し、貯まったポイント分を現金で還元するという方法が多く見られます。

キャッシュバックのメリットと活用
 商品やサービスの割引方法としてはクーポンがありますが、クーポンとの違いは、値引きではないということと、小売業者の協力を得ずにメーカーが独自で実施することができるということです。
 値引きとなると値崩れの恐れが生じ、また、クーポンの配布・回収については小売業者の協力が不可欠です。かといって、全小売業で確実に実施することも困難です。メーカーにとっては、希望する小売価格を維持しながら、独自に実施できるところにキャッシュバック制度導入のメリットがあります。
 キャッシュバックは、メーカーをはじめ小売業などでも活用されていますが、低額商品だと返金額自体に魅力が薄まることから、自動車業界、パソコン業界、保険業界など、比較的高額な商品やサービスを扱っている企業で多く活用されています。