第9章 広告と広報活動
[広告の種類2] 共同広告
共同広告
複数の広告主が共同して出稿する広告を、「共同広告(Cooperative Advertising)」といいます。共同広告には、媒体側主導で広告が集められるケースと、広告主側のニーズで出稿されるケースの両方があります。
媒体側主導のケースとしては、例えば、元旦や中元・歳暮期など各種プロモーション企画に合わせて、複数の企業に共同出稿してもらう形態などが代表的です。また、広告主ニーズ主導のケースとしては、同じ企業グループが共同してグループ広告を出稿する場合や、ある特定の商品に関してメーカーと流通会社とが共同して広告を打つといった場合などがあります。身近な例では、商店街が共同でチラシを打つのも共同広告の一種です。
共同広告のうち、特定分野の複数の広告主が同じ媒体に相乗りで出稿する形態を「連合広告」といいます。例えば、新聞紙面でデパート各社が週末の催事を掲載する広告の連合欄などが、これにあたります。
最近では、環境や健康、安全といった社会性の強いテーマなどに関する企業姿勢をアピールするための共同広告なども多くなっています。
メディア・ジャック
あるメディアを1社単独で買い切ってしまう方法を、「メディア・ジャック広告」といいます。例えば、電車の全車両あるいは一部を車両ごと買い切り、どこを見てもその製品・サービスの広告が掲載されているといったものや、雑誌の広告欄を一誌分まるまる買い切るものなどが、メディア・ジャックにあたります。
特定鉄道沿線住民の特性やイメージが広告の訴求対象にピタリとくるようなケース(トレイン・ジャック)や、特定雑誌の読者層が広告訴求対象と重なるようなケース(マガジン・ジャック)などでのメディア・ジャックは、強烈なインパクトを与えることになります。