第9章 広告と広報活動
[PR活動の種類1] パブリシティ
マスコミに対する情報提供活動
組織や企業が自組織・自社の情報をマスコミに自主的に提供し、メディアを通じてニュースとして報道してもらう広報活動を「パブリシティ」といいます。これは、各メディアの情報伝達機能、影響力の大きさを活用しているのみならず、社会性・客観性を持つ第三者機関が報道することで、その情報をより信頼度の高いニュートラルなものとして人々にアピールしようとするものです。
ニュース価値の高さが勝負
情報提供方法としては、マスコミ各社にプレスリリースと呼ばれる文書資料を配ったり、日時を設定して記者会見を行ったり、あるいは個別取材に応じるなどがあります。新商品や新事業開始などの告知や、経営ビジョンの公表、人事関連のニュースやイベント告知など、パブリシティ素材はさまざまですが、社会的価値、話題性のある素材をいかにタイムリーにマスコミに提供できるかが、各媒体にニュースとして取り上げてもらうために必要なテクニックといえるでしょう。さらに、情報発信主体が第三者であるマスコミに移行するわけですから、そのソースとなるパブリシティ情報の発信には、正確さ、わかりやすさ、情報内容の深さが求められることはいうまでもありません。
広告の一手法としてのペイド・パブ
パブリシティ情報は通常、採否の一切、取り上げ方の一切はメディア側に委ねられているもので、発信主の意向が関与する余地はありません。つまり、パブリシティは無料であることで、客観的情報としての信頼性が確保されているのです。他方、広告活動の一手法として、有料であるが広告主がイニシアチブをとれる、「ペイド・パブリシティ」があります。これは、メディアの客観性・信頼性イメージを利用して、組織・企業が掲載料を支払って情報をメディアサイドの記事・ニュース風に仕立てるというものです。