第9章 広告と広報活動
[PR活動の種類4] 企業モニター
顧客情報収集源
組織や企業は、自組織・自社の情報を開示する義務がある一方で、社会や顧客からの声を積極的に収集しなければなりません。社会や市場の声を収集することによって、自社商品やサービスの改良や新規開発などのマーケティング・プランニングに活用したり、広報的側面から自組織・自社に対する評価を把握して経営改善や組織改革などへ結び付けることが可能となるのです。
顧客からの情報ソースとしては、お客様相談窓口の設置や、マス・サンプリング・サーベイの実施、フォーカス・グループ・インタビューの実施などのほか、モニターを設置するという方法もあります。
モニター制度の特徴
モニター制度は、各種公共機関などをはじめ、一般企業各社でも広く利用されています。通常、例えば1年や数年などの期間で依頼し、その期間内で数回にわたって情報収集・意見交換を行うものです。モニター募集にあたっては、居住エリアや性別・年齢、当該テーマに関する利用実態や関心の有無などの条件を設定することもあります。また、モニターからの情報収集方法は、定期的にアンケートに回答してもらったり、意見書を提出してもらったり、モニターを招集して直接意見を尋ねるなどさまざまです。
モニター制度のメリット
概して公募に対して自ら応募する形態をとりますので、問題意識・参画意識の高い顧客からの積極的意見が求められる点、また、当該テーマに関する組織・企業サイドの取り組み状況・意思決定状況に則して適時複数回にわたって情報収集・意見交換が可能であるなどのメリットがあります。さらに、組織・企業にとって、モニターは一顧客であると同時にオピニオンリーダー的存在でもありますから、モニターと直接対話の機会を持つことは、将来にわたって自組織・自社にとっての人的財産の形成につながるといえるでしょう。