第9章 広告と広報活動

[PR指標] 企業イメージ

市民社会からの理解・評価・信頼の獲得度合いを測るスケールの一つ。

企業イメージの価値
 広報活動のゴールは、組織・企業体が市民社会との良好な関係を構築すること、社会的組織・企業としての理解・評価・信頼を得ることにほかなりません。そうした市民社会からの理解・評価・信頼は、組織・企業に対するマインドシェアあるいは企業イメージという指標によって把握することができます。エンドユーザーの欲求が多様化し、商品やサービスの同質化が進む昨今、ライバルに対して競争優位に立つためには、企業を取り巻く人々から自社がどう評価されているかが企業業績に大きな影響を与える時代になってきています。どのような企業イメージを創り上げ、どれだけマインドシェアを獲得できるかが、企業の存在価値を確立し、基盤を強固なものにするために、極めて重要な課題となっているのです。

総合的イメージ構築の必要性
 企業の好意度・イメージ向上のためには、何よりも自社商品・サービスの評価を高めることが重要となるのですが、この他にもパブリシティによる情報発信、文化事業や社会的企業としての諸活動のアピール、社会との対話を行うなどの各種広報活動をはじめ、企業としての取り組み姿勢や提案を伝える企業広告の訴求などさまざまな方法があります。また、企業の新ドメイン・新理念に沿う形で社名変更やロゴ変更、スローガンの新設などを行うことでイメージの刷新を図るCI導入は、企業イメージ再構築の代表例ともいえます。
 企業イメージは一朝一夕で形成されるものではなく、長年にわたる一つひとつの活動の積み上げが人々のその企業に対するイメージを形成していくものです。イメージ戦略を展開する際には、企業として目指すべきイメージポジションを明確にした上で、長期的視点に立って、目指すイメージ構築に向けた総合的な活動を展開する必要があるでしょう。