第10章 消費者意識と購買行動
[購買行動4] ブランド・ロイヤルティ
消費者のブランド選択
消費者が特定の商品を購入するときの基準の一つとして、ブランドという概念があります。ブランドは、消費者の購買行動において「このブランドなら安心だ」「はずれがない」などの判断を下す一材料として、大変重要な要素です。
ブランド・ロイヤルティ
消費者があるブランドを愛好し、忠誠を誓ったように継続して購入し続ける程度のことを、「ブランド・ロイヤルティ」といいます。消費者が特定のブランドに愛着を持ち続ける理由としては、次のようなことが考えられます。
@コストパフォーマンスが優れていること
Aデザインやスタイルなど、外観から受けるイメージが良いこと
Bメーカーが信頼できること
C信頼できる知人・店舗の勧めがあること
Dそのブランドの使用者に親近感や憧れを持っていること
以上のような理由により、消費者が特定ブランドにこだわり、継続してそれのみを購入し続ける状態が「高ロイヤルティ」の状態です。
企業のマーケティング目標の一つが、ブランド・ロイヤルティを高めることです。企業にとって、ブランド・ロイヤルティを高めることが、そのまま安定した収益の確保につながるからです。
さらに、高ロイヤルティ顧客による口コミ効果への期待も大きなものがあります。高ロイヤルティ顧客は、そのブランドの価値を誰よりも評価しており、友人や知人などにそのブランドを推奨する可能性が高いからです。
ロイヤルティ分析による戦略立案
企業は、こうしたロイヤルティの傾向を分析することで、自社ブランドの強みと弱みを把握することが可能となり、マーケティング戦略に生かすことができます。例えば、自社の高ロイヤルティ層特性を分析することにより、ターゲット層の絞り込みや広告戦略に役立てることが可能となるのです。