第11章 マーケティング情報とデジタル・マーケティング

[マーケティング戦略2] テレマーケティング

企業より発信するアウトバウンドから、消費者より情報収集して商品開発につなげるインバウンドに進展。

テレマーケティングとは
 言葉通り電話を活用したマーケティングで、電話調査同様、欧米では代表的なマーケティング手法の一つです。テレマーケティングは大きく分けて、企業から消費者側に情報発信してアプローチする「アウトバウンド」と消費者から企業へ情報収集する「インバウンド」があります。
 アウトバウンドは、前述した電話調査も含まれますが、一般には「テレホンセールス・プロモーション」が代表的です。顧客リスト(潜在顧客も含む)を基に新商品の案内や現在の使用状況などを聞き取る顧客満足度調査を兼ねたプロモーション活動が中心でした。

インバウンドが中心に
 最近は顧客情報の保護や消費者の生活時間の変化によって、テレマーケティングはインバウンドが中心になってきています。
 インバウンドで代表的なのは、お客様相談室やサポートセンターと呼ばれるものとホーム・ショッピングの受注機能などが中心です。企業は自社商品やサービスについて、消費者の接点となる店舗だけでは、消費者ニーズや意見を把握することができません。特にOA機器メーカーのテレマーケティングは、専用センターを設置して、顧客からの問い合わせをデータベース化し、オペレーターの対応サービスの均質化と次期商品開発のためのマーケティング・データとして活用しています。
 また、インターネットが普及しても、ホーム・ショッピングの消費者の発注ツールとしては電話が依然中心であり、今後もテレマーケティングはインバウンド中心の展開となると予想されています。