第11章 マーケティング情報とデジタル・マーケティング

[マーケティング・システム2] デジタル・マッピング・システム

緯度経度によるポイント情報とマップ情報の融合によるビジュアル・エリア・マーケティングツール。

GIS
 アメリカの軍事衛星を利用したカーナビゲーション・システムがドライバーの運転利便性を向上させたように、マーケティング情報を地図上にプロットすること(レイヤーマッピング)でビジュアル化されたエリア・マーケティング戦略を可能としたのが「デジタル・マッピング・システム」です。一般的に「GIS(地理情報システム)」と呼ばれています。これまでもライフラインと呼ばれた電気・ガス・水道・電話などは、レイヤーマッピングによってその敷設状況がデジタルデータ化されていました。
 デジタル・マッピング・システムは、デジタル化された地図上に各種統計データ(人口・世帯数・事業所数)とともに自社の顧客データ、POSデータなどを入力することで、特定のエリアの販売データと顧客動向などを地図上で把握することができます。

具体的な活用例
 小売業や外食産業、コンビニエンス・ストアなどの流通産業の新規店舗計画における商圏分析や需要予測などが挙げられます。各種統計データは丁目別まで分解することが可能なものや五百uのメッシュデータと呼ばれるものもあります。これらにポイント情報と呼ばれる顧客情報や店舗販売情報を緯度・経度データに変換してプロットします。地図上に出店予定地を指定し、想定する商圏の範囲を入力すると、そのエリア情報がレイヤー(階層)構造で表示されます。
 このシステムの最大のメリットは、シミュレーション結果が簡単に地図にビジュアル化されることです。