第12章 マーケティング・リサーチと解析手法

[リサーチの基本4] 質問紙(アンケート用紙)

調査対象者の属性や意見といった情報を収集する場合に最も多く用いられるツール。

質問紙とは
 調査対象者の属性や意見等を収集するツールの一つが質問紙であり、マーケティング・リサーチにおいて非常に重要な位置を占めています。質問紙の出来が悪ければ、後でどのような分析手法を駆使しても、得られる結果は不十分なものとなります。

質問紙作成の流れ
まずリサーチテーマを各質問テーマに分解し、各質問テーマをフローチャート図でつなげて、全体的な質問紙の構成を決定します。次に各質問テーマの具体的な質問文を作成し、質問文に対する答え(選択肢)を用意します。ここでは対象者の多様な回答に対応できるような選択肢を用意する必要があります。こうした流れを経て、質問紙の原案ができあがりますが、これで質問紙が完成したわけではありません。その後、関係者による修正→プリテスト(質問紙のチェックを目的に実施される擬似的な事前調査)による修正を経て、最終的な質問紙が完成します。

ワーディング
 質問紙作成の留意点の一つに「ワーディング(質問紙に記載する言葉・表現)」があります。ワーディングは、「特定の考えに誘導するような表現は避ける」「専門用語等の一般的でない表現は避ける」といったことに留意する必要があります。また、回答に何時間もかかるような質問紙だと、「協力率の低下/回答内容へのバイアス/調査一般への非協力態度の原因」といった悪影響も懸念されます。