NRCレポート
会社での服装に関する調査
公表日 2018年10月24日
夏の「クール・ビズ(COOL BIZ)」が定着し、職場での服装は以前に比べかなり自由度が増しています。しかし自由な服装とはそもそも定義がとても曖昧です。そこで、働いている人の業務時における服装意識を確認してみました。
Q1 日常の業務で着用することに問題のない服装/問題がある服装(それぞれひとつ)
Q2 自由な服装が業務に与える影響(ひとつだけ)
Q3 会社が採用している服装基準(ひとつだけ)
Q4 自分自身が選択している服装基準(ひとつだけ)
会社での服装に関する調査のまとめ
環境省が主導して2005年に導入した「クールビズ(COOL BIZ)」も13年が経過しました。「夏場の軽装による冷房の節約」がキャッチフレーズでしたが、いつの間にか「クールビズ=自由な服装」という捉え方をされている気がします。当初、夏季に摂氏28度以上の室温に対応できる服装という発想から男性がネクタイや上着を着用しないことが推奨されました。しかし、今では多くの人は「暑い時には暑さに対応した服装をしよう」くらいの感覚になっているのではないでしょうか。
日常業務でふさわしい服装【図1】の結果をみると、「ノーネクタイ」「半袖Yシャツ」は7割以上が日常の業務で着用することに問題なしとなっています。「ポロシャツ」「スニーカー」「ワンピース」も5割以上が問題なしとなりました。一方で、「ノースリーブ、袖なし」は日常の業務で着用することに、問題なし:35.2%、問題あり:40.7%です。職場でも割と見かける服装ですが、県かいが分かれる結果でした。
次に、自由な服装が業務に与える影響【図2】を国内企業と外資系企業の職種別に比較しました。国内企業では事務系社員は自由な服装がいい影響を与えていると判断しています。外資系の事務系社員は、仕事と服装は関係ないと考えている人の割合が多くなりました。逆に技術系は国内企業の方が仕事と服装は関係ないと考えているようです。技術職の捉え方の違いは興味深いところです。
最後に、会社が採用している服装基準【図3】と自分自身が選択している服装基準【図4】を会社の従業員規模で比較してみました。「制限あるが基本的に自由」が、会社基準でも自分基準でも従業員規模に関係なく2~3割ありました。ところが、「完全に自由な服装」となると、従業員規模が大きくなればなるほど割合が減少していく傾向が見えました。
職場の服装には社会人としてのマナーも存在します。自由な服装といっても決して勝手な振る舞いが推奨されているわけではありません。会社の服装基準と自分自身が選択している服装基準の傾向がほぼ同じことから、自由な服装といいつつどこかで自らを律して働く日本人像を感じました。
調査概要
調査対象
全国男女
有効回収数
1,037サンプル(年代ほぼ均等割り付け)
調査方法
インターネット調査
調査期間
2018年7月
調査担当者
株式会社日本リサーチセンター 梁 承哲(ヤン スンチョル)
株式会社 日本リサーチセンター
担当:広報室
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