NRCレポート
2019年7月参議院選挙に関するWEB調査
(2019年7月調査)公表日 2019年07月26日
調査目的と課題
日本リサーチセンターでは、2019年7月の参議院選挙について、全国の18~69歳男女を対象に、投票の一週間前と投票後の2回のアンケート調査を行いました。
本調査は、公募式モニターのWEB調査を利用することで、電話調査や出口調査では聴取が難しい、選挙に対する意識や行動を理解することを目的としています。
参議院調査の認知度や一週間前の予定と実際の投票行動の一致度などを把握することができます。
主な調査結果
参議院選挙があることを知っていたか?
一週間前の事前調査で、投票の前提として参議院選挙が7月21日に行われることを知っているかを質問した。
全体の4%は「知らなかった」と回答した。また13%は「選挙があるのは知っていたが、投票日は知らなかった」、83%は「選挙があるのも、投票日も知っていた」と回答した。
年代が下がるほど、「知らなかった」が高くなる。18~29歳では、 11%が「知らなかった」と回答しており、「選挙があるのは知っていたが、投票日は知らなかった」(27%)と合わせると1/3以上(38%)は、一週間前では参議院選挙の日にちを知らなかったことになる。(下図参照)
さらに機械学習の一種である決定木(CARTアルゴリズム)を使って、参議院の認知率を分析してみた。(下図参照)
対象者の属性(性別、年齢、学歴など)と政治への関心度を説明要因として分析したところ、政治への関心度でまずは分岐した。
「関心がある」計グループの「投票日も知っていた」は、 「関心がない」計+「どちらともいえない」グループより高かった。
次の層は、どちらの分岐も年齢で分岐して、どちらも年齢が高いグループの「投票日も知っていた」が高かった。
「関心がない」計+「どちらともいえない」かつ36才以下の分岐では、学歴が「大学」、「大学院」グループで「投票日も知っていた」が、その他の学歴より高かった。
一週間前の予定と実際の投票先は?
一週間前の投票先の予定と、実際の投票先を、①選挙区における立候補者の政党と②比例代表の政党について比較してみる。
一週間前の投票先の予定を、「まだ決めていない」、「与党に投票予定」、「野党に投票予定」の3つに分類して分析する。
まだ決めていなかった人は、選挙区と比例区ともに、野党に入れる割合が3割を超えて、与党より2倍も高かった。一方、投票に行かなかった・行けなかった割合も3割と高い。
与党から野党(選挙区6%、比例代表7% )、野党から与党へスイッチ(選挙区1%、比例代表2%)の割合は少なかった。
その他の結果
投票に行く、行かないを決めたのはいつ?
→投票に行くのを決めたのは、公示前から決めていた人が多く、投票者に行かないのを決めたのは、投票日当日が多かった。
投票に行かなかった理由は?
→投票したいと思う候補者も政党もなかったからが理由のトップであった。
選挙や投票についての意識は性別や年代で差があるか?
→ 「政治のことは自分には難しいと感じる」では、女性や若年層で高い傾向があった。
投票先に入れた理由は?
→立候補者・政党の政策に期待が持てるからが、選挙区・比例代表で理由のトップであった。
今回の参議院で気にしていた政策課題は?
→投票者全体では「年金」 、「消費税」、「景気・雇用」が5割を超えて高かった。
今回の情報源は?
→事前の参考情報にはテレビのニュース番組、また投票の決め手になったのは、選挙公報の割合が高かった。
→18~29歳では、決め手になった情報源は「街頭にあるポスター」、「政党・候補者のSNS」が他の世代より高い。
投票先を決めたのはいつ?
→選挙区と比例代表ともに、3割弱が公示前に決めていると回答している。
投票所への時間と投票率の関係は?
→投票所への時間がかかると、投票率が低くなる傾向にあった。
もし今回の参議院選挙でインターネットで投票できたら?
→インターネットによる調査ではあるが、非投票者で半数以上が投票していたと回答した。
調査概要
調査方法
NRCサイバーパネルを使ったWEB調査
調査対象
全国の18~69歳の男女個人(サイバーパネル会員)
事前調査:性別・年代・エリアの構成は、2015年の国勢調査を使って日本の人口構成比に合わせて割付
事後調査:事前調査に回答した人を対象に性別と年代で再度割付して再度国勢調査比に合致するように調整
集計回答数
1,180人
調査期間
事前調査:2019年7月12日~7月16日
事後調査:2019年7月21日(開票後)~7月24日
NRC自主調査【2019年7月参議院選挙調査】20190730.pdf
*調査結果の%は、SA回答であっても四捨五入等の関係で合計が100%にならない場合がございます。
株式会社 日本リサーチセンター
担当:広報室
お問い合わせ専用Eメール information@nrc.co.jp