NRCレポート
東京2020オリンピック・パラリンピックに関する
定点観測世論調査 第4弾
「国民が感じた
オリ・パラ開催による日本への影響とは?」
公表日 2021年09月16日
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日本リサーチセンター(本社:東京都、代表取締役社長:杉原 領治)は、1960年に設立された民間の調査研究機関であり、民間企業および官公庁、大学をはじめとする学術機関などの依頼を受け、各種の調査研究を行なっています。
このたび、当社の自主調査企画として「東京2020オリンピック・パラリンピックが開催された場合の日本への影響」についての世論調査を実施しました。
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新型コロナウィルス禍という過去に例を見ない状況下で東京2020オリンピックが開催されましたが、無観客開催の中、日本選手団の活躍で史上最多の58個のメダル獲得という結果で閉幕しました。また、8月24日からはパラリンピックが開催され、こちらも原則無観客での開催でしたが、史上最多254人の選手団を送り込んだ日本は、金13、銀15、銅23のメダルを獲得し、過去最多のアテネ大会に次ぐ結果で閉幕しました。オリンピックの開始からパラリンピックの終了まで、人々の意識や態度はどのように変遷していったのでしょうか。今回はシリーズ最後のレポートとして、2021年の9月1日週(Week16)までに実施した11回分の調査結果を発表いたします。
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【東京2020オリンピック・パラリンピックが開催された場合の日本への影響】
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「今年東京2020オリンピック・パラリンピックが開催された場合、日本の国としてどのような影響があると思うか。」という質問に対する回答として、開催前の6/23週時点で最もスコアが高かったのは「経済効果が期待できる」(18.5%)でしたが、無観客開催決定後にそのスコアは徐々に低下していきました。直近の9/1週時点では10.2%に留まっています。
一方で、「国民のスポーツに対する関心が高まる」と回答した人の比率は、開催直前の7/21週までは15~16%程度でしたが、オリンピック開催直後の7/28週に28.8%と調査期間中で最も高いスコアとなり、オリンピック開催期間中は高い水準をキープしました。オリンピック開催によるスポーツそのものへの国民の関心が大きく向上したことが示唆されます。
同じく、「日本のアスリートのレベルが向上する」についても、オリンピック開催直後の7/28週にスコアが大きく上昇しました。
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また、「障がい者への理解が向上する」については、オリンピック開幕直前の7/21週時点では7.4%に留まっていましたが、オリンピック開催後は時間を経るごとにスコアを延ばし、パラリンピック終了週の9/1週では26.1%と全項目の中でトップのスコアとなりました。パラリンピックの開催が、国民の障がい者への理解向上に寄与していることが伺えます。
一方で、「国民のコロナに対する不安が軽減される」については、オリンピック開催前から期間中を経て4~5%という低い水準が続き、コロナの新規感染者数の再拡大に伴って多くの人が不安視しながらオリ・パラ期間中を過ごしていた状況が伺えます。
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今回の東京2020オリンピック・パラリンピックに対する国民意識を総括すると、開催前に期待されていた経済効果は無観客開催により限定的となり、コロナ感染拡大の不安を抱えつつも、オリンピック開催によって、スポーツやアスリートへの関心が高まり、パラリンピック開催により障がい者への理解が高まるという形でその影響が残されたことが推察されます。
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≪調査概要≫
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:サイバーパネル会員(全国の20才~69歳男女)
■調査時期と回答数
2021年6月23日~2021年6月28日 (w6) 997名
2021年6月30日~2021年7月5日 (w7) 990名
2021年7月7日~2021年7月12日 (w8) 995名
2021年7月14日~2021年7月19日 (w9) 996名
2021年7月21日~2021年7月26日 (w10) 1004名
2021年7月28日~2021年8月3日 (w11) 993名
2021年8月4日~2021年8月9日 (w12) 993名
2021年8月11日~2021年8月16日 (w13) 1002名
2021年8月18日~2021年8月23日 (w14) 999名
2021年8月25日~2021年8月30日 (w15) 1000名
2021年9月1日~2021年9月6日 (w16) 999名
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この自主調査データの購入のご希望や質問追加のご要望については、下記までお問合せください。
お問い合わせ専用メール nrc_yougov@nrc.co.jp
株式会社 日本リサーチセンター
担当:ビジネスイノベーションセンター(BIセンター)