NRCレポート

【NRC デイリー・トラッキング調査】
2023年12月から2024年3月 不安と感情の週次推移

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公表日 2024年04月30日

    • 日本リサーチセンター(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:杉原 領治)は、1960年に設立されたマーケティングリサーチの会社で、民間企業や官公庁、大学等からの依頼を受け、各種の調査研究を行なっています。

      また、世界各国に調査拠点を置く「GIA」と「WIN」※の日本で唯一のメンバーとしてグローバルネットワークに参加し、海外調査も数多く実施しております。

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    • ※GIA(Gallup International Association)
    •  WIN(Worldwide Independent Network of Market Research)

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    • 弊社の自主調査NRC デイリー・トラッキング調査」は、2022年5月から毎日、全国の人々の行動や感情について同じ質問項目でwebアンケートを実施しております。(全国20~69才男女、1日平均150人回収)

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      今年1月12日公開のNRCレポートでは、年末年始の約2週間を対象に1日ごとの感情や不安の動きをみましたが、今回は昨年12月から今年3月までの4か月間の推移を週次でみていくことにします。

      1月1日に石川県能登半島を震源とする大規模な地震が発生し、その後も全国各地で地震が頻発していますが、地震は人々の感情や不安に影響しているでしょうか?また、年代による違いはあるでしょうか?

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    • 前回のNRCレポートはこちら ↓

      【NRC デイリー・トラッキング調査】<令和5年から令和6年へ 感情の推移>

    •  https://www.nrc.co.jp/report/240112.html

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    昨年12月から今年3月まで、日別データを1週間ごとに合算集計して週次推移グラフにしました。

    まずは2024年1月1日の能登半島地震直後の1/2週の変化に注目し、また、その後3月までの動きもみていきましょう。 

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  • 今、不安に思っていること

     

  • 全体

  • ・20~69才全体の不安率の週次推移です。

    ・今年1月1日に発生した能登半島地震の影響がみられ、1/2週(1/2火曜~1/8月曜)では地震」のスコアが前週に比べて30ポイントも上昇していました。

    ・その後1/9週以降は不安率が徐々に低下していきますが、3月末時点でもまだ12月時点(21%)や昨年の年間平均(25%)まで戻っておりません。

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  • ・参考として「健康や病気」「老後・年金」「景気・経済」の4か月間の動きも確認しましたが、「地震」のような大きな変化はみられませんでした。他の不安項目と比べても「地震」の変化は際立っており、年明けの週に急上昇し、その後もまだ不安感が残っているようです。今年は各地で地震が頻繁に起きていることもあり、人々が地震に対して敏感になっているのかもしれません。 
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  • <年代別> 地震への不安 

  • ・「地震」の不安率の推移を年代別にみたものです。

    ・20代から60代までどの年代層も、能登半島地震発生後の1/2週は、前週に比べて不安率が急上昇しました(25~36ポイント増)。その後3月までは低下トレンドですが、3/26週に12月や昨年の平均値まで下がり切っていないのも全年代層で共通しています。  

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  • ・また、どの年代層も16の不安項目の中で「地震」の変化の大きさ(レンジ)が最大でした。不安率が高い60代では増減幅が39ポイントもあり、最も不安率が低い20代でも28ポイントも動きがありました。 
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  • 感情

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  • 全体  
  • ・20~69才全体の感情の週次推移です。

    (数字は「強く感じることがあった」と「少し感じた」の比率の合計です)

    驚き」「恐れ、恐怖、不安」「悲しみ」の3つの感情は、12/25週から1/1週で7~10ポイント急上昇しました。これ以外の週の動きはほぼ安定していますので、おそらくこれも1月1日の能登半島地震の影響かと推察されます。地震の被害状況がたいへん深刻なものでしたので、個人の感情にも影響を及ぼしたのでしょう。ただ1/8週以降にはこれらの感情の高まりは安定して平常に戻ったようです。地震への不安率は3月末までやや高い状態が続きましたが、感情の方は地震直後の週に変化がみられるのみでした。

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  • 3a_ネガ3感情_全_rev.PNG 
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  • 3b_週平均_ネガ3感情.PNG

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  • <年代別>  
  • 「驚きの感情を年代別にみたものです。

    ・30代から60代は、地震の起きた1/1週に前週より5~12ポイント上がっています。また40代、50代では1/1週がこの期間内での最大値です。

    ・一方、20代では地震後の上昇はみられません。 

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恐れ、恐怖、不安」の感情を年代別にみたものです。

・30代から60代は、地震の起きた1/1週に前週より10~16ポイント上がって、この期間内での最大値となっています。

・一方、20代では地震後の上昇はみられません。


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  • 「悲しみ」の感情を年代別にみたものです。

    ・40代から60代は、地震の起きた1/1週に前週より13~15ポイント上がって、この期間内での最大値となっています。

    ・一方、20代と30代では地震前後の週に大きな動きはみられませんでした。 

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  • ・20~69才全体の週次推移では、今回の地震が個人の感情に影響したことが推察されますが、年代別にみると違いがありました。

    ・20代は、「驚き」「恐れ」「悲しみ」のいずれも1/1週に急上昇するような動きはみられず、他の年代層とは異なる傾向でした。

    ・なお比率の高さも年代差があり、20代で最も高く、60代で最も低くなっている週が多かったです。

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  • 調査の概要

  • <NRCデイリー・トラッキング調査>
  • 調査目的:人々の行動と感情について、日々の推移をトラッキングする
  • 調査方法:web調査
  • 調査対象者:NRCサイバーパネル会員 全国20~69才男女 毎日約150人回収(平均)
  •  ・日本の人口構成比(エリア、男女、年代)に合わせてウエイト集計
  • 調査期間:2022年5月17日からデイリーでトラッキング調査を実施中
  • 調査機関:日本リサーチセンター(NRC)
  • 調査項目:今、あなたが不安に思っていること、(昨日1日の間に感じた)感情と心の満足度 など
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株式会社 日本リサーチセンター
担当:広報室

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