NRCレポート

食と仕事についての調査
麗澤大学・土田ゼミナール調査研究レポート

ナレッジ・レポート

公表日 2025年02月13日

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    • 株式会社日本リサーチセンターは、「NRCデイリートラッキング」調査データを提供することで、以下の大学ゼミの調査研究活動を支援いたしました。
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    • 麗澤大学経営学部土田ゼミはマーケティングやデータ分析の研究を行っています。

      近年、孤食や食育などのキーワードがあるようにウェルビーイングと食の関係性が注目されています。また働き方改革に代表されるようにウェルビーイングと仕事の関係性にも注目が集まっています
    • では、生活者は食事と仕事がどれくらい楽しいと感じているのでしょうか。それらの実態をデータで理解するためにWEB調査で検証してみました

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      • 調査概要

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        調査方法:NRCサイバーパネルを使ったWEB調査

        NRCデイリートラッキングを利用)

        調査時期:2024/11/20~2024/12/03

        調査対象者:全国の20~69歳の男女

        標本数:2,243

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    • 食事を楽しんだか?曜日の違い

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    • 食を楽しんでいるかを「(昨日1日で)あなたは食事を楽しみましたか?」で聞いたところ、「楽しんだ・計」(とても楽しんだ+楽しんだ)は全体で53.7%、「楽しんでいない・計」(まったく楽しんでいない+楽しんでいない)は14.0%でした。その差は+39.8ポイントであり、全体では食事を楽しんでいる人が多い結果になりました

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      曜日別では、「楽しんだ・計」がもっとも高いのは土曜日(59.2%)でした。反対にもっとも低いのは木曜日(48.3%)でした。また「楽しんだ・計」と「楽しんでいない・計」の差分でみると、もっとも低いのは火曜日(+32.6)です。土曜日に食事を楽しんだが多くなっているのは、翌日が休みの人が多いからだと考えられます。

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    • 食事を楽しんだか?男女年代の違い

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    • 性別×年代別でみると、食事を「楽しんだ・計」は女性60代(62.9%)がもっとも高く、ついで女性30代(60.8%)が高い結果になりました。また男性40代(46.2%)がもっとも低く、ついで男性30代(47.1%)が低い結果です。

    • 年齢別で男女それぞれ比べると、おおむね女性の方が「楽しんだ・計」が高い傾向にあり食事を楽しんでいることがわかります

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    • 仕事を楽しんだか?曜日の違い

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    • 仕事を楽しんでいるかを「(昨日1日で)あなたは仕事を楽しみましたか?」で聞きました。
    • 「現在、仕事をしていない」「昨日は、仕事が休みだった」の1,005を除いて、全体1,238では「楽しんだ・計」(とても楽しんだ+楽しんだ)は23.5%、「楽しんでいない・計」(まったく楽しんでいない+楽しんでいない)は43.0%でした。その差は-19.5ポイントであり、全体では仕事を楽しんでいる人が少ない結果になりました。
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    • 曜日別では、「楽しんだ・計」が最も高いのは水曜日(28.2%)で、反対に最も低いのは木曜日(18.1%)でした。また木曜日は「楽しんでいない・計」は50.3%で、こちらももっとも高かったです。

      土日休みの人が多いと考えると、月曜日から仕事が慣れてきた水曜日は仕事へのモチベーションが高く、平日の後半で翌日が休みではない木曜日はモチベーションが下がることが多いからだと考えられます

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    • 仕事を楽しんだか?男女年代の違い

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      性別×年代別でみると、仕事を「楽しんだ・計」は男性20代(32.6%)がもっとも高い結果でした。しかし次の年代の男性30代(16.4%)がもっとも低く、「楽しんでいない・計」は男性40代(53.2%)がもっとも高い結果になりました。

      男性は30代から50代にかけて仕事上の責任が大きくなるのでしょうか、仕事を楽しんでいない人が多い傾向にあります。

      一方、「楽しんだ・計」は女性20代(23.7%)では男性20代(32.6%)より10ポイント程度低くなっていました。

     

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    • 食事と仕事を楽しんだことは、その日の気分満足に影響を与えているか?

    • -重回帰分析による検証-

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    • 次に食事と仕事を楽しんだことは、その日の気分満足(7段階尺度)に影響を与えているのかを重回帰分析で検証してみました。

      重回帰分析とは、複数の説明変数(原因)が目的変数(結果)に与える影響を分析する統計手法です。食事と仕事を楽しんだのかを説明変数として、その日の気分満足度を目的変数にして重回帰分析を行いました。またここでは個人属性の説明変数として年齢と性別も入れています。 

           

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        • 偏回帰係数がプラス方向であれば気分満足にプラスの影響、偏回帰係数がマイナス方向であれば気分満足にマイナスの影響を与えていると解釈できます。

          食事については、「どちらともいえない」を0とした場合、「楽しんでいない・計」の推定値は-0.942で気分満足にマイナスの影響、「楽しんだ・計」は0.949でプラスの影響で、気分満足に統計的に有意に影響することが検証できました。

          一方、仕事については、「どちらともいえない」を0とした場合、「楽しんでいない・計」は-0.579でマイナス、「楽しんだ・計」は0.460でプラスで、気分満足に影響することが検証できました。

          また「仕事をしていない」「仕事が休みだった」については、双方とも統計的に有意ではなく「どちらともいえない」と差があるかは分かりませんでした。

          以上より、食事と仕事を楽しむことは気分満足に影響することがわかりました。食と仕事の影響度を比較すると、食の与える影響は、仕事の満足度が気分に与える影響の約2倍であることから、日常生活において、食事の満足度が気分に与える影響が大きいという結果でした。このことから、好きな食事を楽しむことは、自分自身で機嫌をコントロールするために有効な手段であり、その日の気分満足を得るための要素にもなると考えられます。

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        • 今回の分析で利用した質問

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        • 問「昨日」1日で、あなたは食事を楽しみましたか?(1つだけ)

          まったく楽しんでいない

          楽しんでいない

          どちらともいえない

          楽しんだ

          とても楽しんだ
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        • 問「昨日」1日で、あなたは仕事を楽しみましたか?(1つだけ)※仕事はアルバイトやパートを含みます。

        • 現在、仕事をしていない

          昨日は、仕事が休みだった

          まったく楽しんでいない

          楽しんでいない

          どちらともいえない

          楽しんだ

          とても楽しんだ
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        • 問「昨日」1日は、あなたは「心が満ち足りた気分」でしたか?(1つだけ)

          まったく満足した気分でなかった

          満足でなかった

          少し満足でなかった

          どちらともいえない

          少し満足だった

          満足だった

          とても満足した気分だった
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