NRCレポート
【NRC デイリー・トラッキング】
2年間の週別推移 (2022年5月~2024年4月)
❷感情
公表日 2024年06月28日
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日本リサーチセンター(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:杉原 領治)は、1960年に設立されたマーケティングリサーチの会社で、民間企業や官公庁、大学等からの依頼を受け、各種の調査研究を行っています。
また、世界各国に調査拠点を置く「GIA」と「WIN」※の日本で唯一のメンバーとしてグローバルネットワークに参加し、海外調査も数多く実施しております。
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- ※GIA(Gallup International Association)
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WIN(Worldwide Independent Network of Market Research)
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弊社は2022年5月から「NRC デイリー・トラッキング調査」を実施し、毎日同じ質問項目で全国の人々の行動や感情を分析しています。
(全国20~69才男女対象で、1日平均150人回収のwebアンケート)
今回は2022年5月から今年4月末まで2年間の週別推移を3回に分けて紹介していますが、本パートは❷感情についてのレポートです。
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2年間の週別推移 ❶今の不安 NRCレポートはこちら ↓
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- 【NRC デイリー・トラッキング】2年間の週別推移 (2022年5月~2024年4月)❶今の不安
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8つの感情
<2年間の感情の推移> 全体
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・「喜び(うれしい気持ち)」「信頼(信じて頼りにすること)」「期待(予期して待っていること)」「驚き(思いがけないことにびっくりすること)」「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」「嫌悪(憎み嫌うこと)」「怒り」の8つの感情について調査したものです。
・各感情について『昨日1日の間で、次のような気持ちを感じることがありましたか?』 と質問し、「強く感じることがあった」 「少し感じた」 「全くなかった」 の3つの選択肢のうち、「強く感じることがあった」+「少し感じた」の合計比率の推移をグラフ化しました。
・期間は2022年5月から2024年4月までの2年間で、調査は毎日行っていましたが、ここでは20~69才全体の結果を週次に合算して集計しています。なお、日付は聴取対象である前日に変更した表記です。
- ・8つの感情の中では「喜び」のスコアが最も高く、53~64%と他の感情よりも高い水準で推移していました。
・次に「信頼」が39~49%、「期待」が35~44%と続いています。これらポジティブな感情では、「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」などのネガティブな感情よりもスコアが高い傾向です。 -
8つの感情(全体)
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・下図は、「驚き」「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」「嫌悪」「怒り」の5つの感情に注目し、さらに目盛りを広げて見やすくしたものです。
- ・今年の元旦、石川県能登半島を震源とする大規模な地震が発生しました。2024年1月1日週(1/1~7)の感情スコアは、「驚き」「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」の3感情が前週より急上昇して最大値となっています。全国の人々が年明け早々の地震発生に驚き、恐怖や不安、そして悲しみを強く感じていたことがわかります。
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・また、2年前の7月4日週(7/4~10)では「怒り」「驚き」「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」「嫌悪」の5つの感情が上がっており、「怒り」と「嫌悪」はこの2年間の最大値でした。2022年7月8日は安倍元首相が白昼に銃撃されるという、日本中を震撼させた衝撃的な事件が起きており、これが人々の感情に大きく影響したと推察されます。
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8つの感情のうち5つを抜粋
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<2年間の週別平均と標準偏差> 全体
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・2022年5月16日週から2024年4月29日週の2年間、合計102週の平均と標準偏差を算出して感情の高低と変化の大きさを確認してみましょう。
- ・8つの感情の中で最も平均が高かったのは「喜び」(58%)でした。次いで「信頼」が44%、「期待」が40%と続きます。
・「驚き」「怒り」は3割強、「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」「嫌悪」は3割弱でした。
・ 「喜び」「信頼」「期待」のようなポジティブな感情比率は、「怒り」「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」「嫌悪」のようなネガティブなものを上回っており、人々の日々の感情はポジティブが優位と言えそうです。 -
・「平均+標準偏差」と「平均-標準偏差」の差分から週ごとのバラツキをみると、いずれの感情もこの2年間ではあまり動きがありません。
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・参考として日別の結果も確認しましたが、平均は週別とほぼ同じですが、標準偏差はいずれも週別より大きいです。感情は日ごとに動きがみられるものの、週で合算してしまうと、その動きが相殺されるということかもしれません。
・感情の動きを週別に分析する際は、大きく俯瞰したざっくりとしたものだと認識すべきようです。
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週別平均と標準偏差 (全体)
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<2年間の週別平均と標準偏差> 年代別
- ・次に年代別の平均と標準偏差もみてみましょう。
- ・平均比率をみると「驚き」「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」は若い人ほど高く、年齢が上がるほど低くなっており、年代差が大きいです。
・また「期待」「嫌悪」「怒り」も若年層で高く、高齢層で低い傾向がみられます。
・「喜び」「信頼」は20代から50代にかけて低くなり、60代でまた高くなっていますが、年代差はそれほど大きくありません。 - ・「喜び」「信頼」「期待」のポジティブな感情に比べると、「驚き」「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」などのネガティブな感情の方が、若い人ほど高く、高齢層ほど低いという年代差が顕著に出ていました。
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- ・この2年間の週別の動き(標準偏差)については、いずれも年代差はあまりみられませんでした。
- 週別平均と標準偏差 (年代別)
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NRCデイリートラッキング 調査概要
- 調査目的:人々の行動と感情について、日々の推移をトラッキングする
- 調査方法:web調査
- 調査対象者:NRCサイバーパネル会員 全国20~69才男女 毎日約150人回収(平均)
- 日本の人口構成比(エリア、男女、年代)に合わせてウエイト集計
- 調査期間:2022年5月17日からデイリーでトラッキング調査を実施中
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今回は、2022年5月~2024年4月の2年間を「週別推移」で分析
- 調査機関:日本リサーチセンター(NRC)
- 調査項目:今、あなたが不安に思っていること、(昨日1日の間に感じた)感情と心の満足感 など
株式会社 日本リサーチセンター
担当:広報室