NRCレポート
新型コロナウイルス感染症への対策行動と 人々のストレス・不安
(2020年4月21・22日調査結果)公表日 2020年05月01日
株式会社日本リサーチセンター(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:鈴木稲博)は、1960年に設立された民間の調査研究機関であり、民間企業および官公庁、大学をはじめとする学術機関などの依頼を受け、各種の調査研究をおこなっています。
この度、当社の自主調査として、「新型コロナウイルス感染症への対策行動と人々のストレス・不安」を実施しました。
改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言は、4月7日に7都府県(東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡)に発令されたのち、4月16日にその対象地域が全国に拡大されました。調査は、全国拡大された翌週の4月21・22日に行いました。調査では、人々の新型コロナウイルス感染症に対する対策行動や、ストレス・不安の内容等について尋ね、先行発令7都府県とその他エリアの違いのほか、性年齢による違いを探索しました。
主な設問項目
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1. 「新型コロナウイルス感染症」の対策としてこれまでにとった対策行動
2. 「新型コロナウイルス感染症」の感染が広がったことで、中止・できなくなったこと
3. 「新型コロナウイルス感染症」の感染が広がったことで、不安やストレスを感じること
4. 「新型コロナウイルス感染症」が広がる中でのリフレッシュ方法
調査結果の要約
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対策実施に性別差大。若年男性の対策実施の低さが目立つ。
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女性は男性に比べて感染拡大によって中止したことも多く、不安やストレスもより感じる人が多いが、女性は「掃除・家の片づけ・家の手入れ」、「料理・お菓子作り」など、男性に比べてさまざまな方法でリフレッシュを図っている。
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緊急事態宣言の先行発令地域に比べて、その他の地域は対策として行っていること、中止したことが比較的少ないが、不安やストレスはエリアによらず同じくらい感じている。
結果詳細
1. 「新型コロナウイルス感染症」の対策として、これまでにとった行動
- 全体として、「マスクを着用する」の実施率が最も高く、次いで「手洗いをする」「外出を控える」「のどうがいをする」「換気をする」が半数を超えて上位。
- 概ね女性の実施率が男性よりも高い傾向にある。特に大きく男女差が見られたのは、「掃除をこまめにする/人の手肌が触れていそうなところは拭く・除菌する」、「まとめ買いする」、「栄養バランスのよい食事をとる」など。
- 性年代別に見ると、実施率は全般的に、30代以下の若年男性で低く、女性は年齢が上がるほど高い傾向が見られる。緊急事態宣言先行発令地域とその他地域に比べると、9割を超え最上位の「マスクを着用する」に地域差はないが、「手洗いをする」「外出を控える」「のどうがいをする」「換気をする」や、「毎日体温を測る」「電車やバスのつり革や、ドアノブ、エレベーターのボタン、エスカレーターの手すりなどは直接触らないようにしている」「在宅勤務」などは先行地域の実施率が高い傾向にある。
2.「新型コロナウイルス感染症」の感染が広がったことで、中止・できなくなったこと
- 中止・できなくなったことは、全体および男性、女性、2エリアのいずれも「国内旅行」が最も多く、続いて「映画・観劇」が多い。男性では「パーティー、宴会」が、女性では「客人を招く/人の家を訪問する」がそれに続く。緊急事態宣言先行発令地域では「電車・新幹線での移動」が、その他エリアでは「客人を招く/人の家を訪問する」がそれに続く。
- 「客人を招く/人の家を訪問する」、「習いごと」のほか、「映画・観劇」や「ライブ・コンサート」といったエンターテイメント系の活動の中止率は、女性の方が高く、男女で差がみられる。
- 「国内旅行」や「客人を招く/人の家を訪問する」ではエリア間の差はみられないのに対し、「映画・観劇」や「電車・新幹線での移動」「出勤・登校」などについては、先行発令地域の方が高い。
- 男性の中でも20代男性は特に中止率が低く、「あてはまるものはない」が3割を超えている。
3. 「新型コロナウイルス感染症」の感染が広がったことで、不安やストレスを感じること
- 全体では、「自分も感染するかもしれないこと」、「家族・友人知人・同僚が感染するかもしれないこと」といった感染リスクに対する不安は全体で6割を超えて突出して高い。次いで、「自分が感染しているかどうかがわからないこと」、「自分が人にうつしてしまうかもしれないこと」といった不安が続く。
- 多くの項目で男性よりも女性の方が強く不安・ストレスを感じており、中でも「外出できないこと」、「家族・友人知人・同僚等が感染するかもしれないこと」、「マスクや消毒液などが買えないこと」などへの不安は開きが大きい。
- 性年代別に見ると、30代以下の男性は、他層に比べて不安やストレスが比較的低めである。また、全体では7割を超える「自分が感染するかもしれないこと」に不安を感じている人は、20代男性、15~19歳女性では5割台にとどまっている。
- エリア間での差はあまり見られないが、「運動不足」、「人と会えないこと」、「店舗等の営業中止」などは、やや先行発令地域の方が高め。
4. 「新型コロナウイルス感染症」が広がる中でのリフレッシュ方法
- リフレッシュするために行っていることは、全体では「テレビ番組の視聴」が最も高い。
- 全般的に、女性は男性よりもさまざまなリフレッシュを広範に行っている傾向がみられる。「掃除・家の片づけ・家の手入れ」、「料理・お菓子作り」、「自宅で体操・トレーニングする」などのほか、「家族との会話・やりとり」「メールやチャット・SNSなどで人とやりとりする」「電話やビデオ通話などで人と直接会話をする」といった他人とのコミュニケーションによるリフレッシュも女性の方が高い。
- 性年代別に見ると、男女ともに、「テレビ番組の視聴」はシニア層が全体よりも高いのに対して、「動画配信サイトの視聴」や「ゲームをプレイする」は若年層が高い。
- 女性の中でも若年女性は他層に比べてリフレッシュ活動の活発さが目立つが、特に「音楽を聴く・楽器を演奏する・歌を歌う」は15~19歳女性で7割に達している。
- エリアによる差異はあまり見られない。
調査概要
【調査方法】インターネット調査
【調査期間】2020年4月21日(火)~22日(水)
【調査対象】全国の15〜79歳男女個人
サイバーパネル(日本リサーチセンターインターネットパネル)より、1,040人を以下の割付に従って割付回収
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連絡先:(株) 日本リサーチセンター広報室
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日本リサーチセンターのウェブサイトでは他にも自主調査結果を掲載しております。ぜひご高覧ください。
・新型コロナウイルスに関する国際世論調査(第2回)(4月27日公表)
/report/200427.html
・緊急事態宣言前後の行動変化についての調査(4月28日公表)
/report/200428.html
・「新型コロナウイルス感染症の⾏動状況」と有効なメディアについての調査(4月10日公表)
/report/200410.html
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・「NRCサイバーパネル」について
本調査は、日本リサーチセンターの自社パネル「サイバーパネル」を利用しています。
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株式会社 日本リサーチセンター
担当:広報室
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