NRCレポート
社会的課題に関する生活者意識調査結果(後編)
社会的課題意識を育て、ビジネスの原動力に
~積極層強化とともに、低関心層を取り残さないために~
(2020年5月調査結果)公表日 2020年07月09日
新型コロナ感染者が東京をはじめ全国で増え続けているさなか、先週末以降、熊本をはじめ各地で大規模な水害が発生しています。
被災された方々のご苦労はいかばかりかとお察しいたします。また、そのニュースを、自分に何かできないだろうかと胸が痛むような思いでご覧になっている方も多いだろうと思います。
こうした危機的状況が絶え間なく降りかかっている今こそ、個人でもビジネスでも、社会的課題に向き合い、解決策を具現化する時ではないでしょうか。
本レポートは、「社会的課題に関する生活者意識調査」の後編です。
前編「生活者発想からのSDGsシーズ」では、コロナ禍の経験から、社会的課題解決のための生活者の様々なアイデアを紹介しました。
それらを実現に結びつけるには、企業・組織では、社会的課題意識を育てて、ビジネスの原動力にする取り組みが必要です。また、SDGsの観点からは、積極的な意識を持つ層の強化だけでなく、低関心層も取り残さずに推進することが重要ではないかと考えます。
私ども日本リサーチセンターでは、皆様のこれからのビジネスに、「社会的課題の解決」のビルトインを実現するため、リサーチやワークショップ、広報などの面から支援いたします。
「何から整理、着手してよいかわからない」などの課題から、社員への意識浸透・育成など広くご相談に応じますので、お気軽にお声がけください。
主な調査項目
社会的な課題に対する考えや行動
最近の社会的課題解決の事例についての認知・意識
企業が社会的課題の解決に取り組むことについての意識
調査結果の要約
社会的課題解決に対する意識を「積極的活動意向層」「バックアップ層」「意識・関心層」「低関心層」の4区分に分類して、傾向を整理した。
1.社会的課題に対する「積極的活動意向層」のパワーは見逃せない
社会的課題解決のために自ら積極的に活動したいという「積極的活動意向層」では、社会的課題に取り組む企業に対して【購入】【仕事(就職)】【クラウドファンディング】【投資】の意向が半数以上と高い。
また、【情報収集】【口コミ】【SNS】といった情報収集・伝達意向も強く、情報拡散力も期待される。
これらはビジネス上の各種メリット(売上、人材確保、資金調達、PR)となることから、ビジネス組織内・外でのキーパーソンとして見逃すことなく、さらにこの層を厚くしていく取り組みが必要。
2.社会意識の高い「Z世代」がビジネスの最前線へ。低関心層はこのままでいられるか?
ビジネスで有望な「積極的活動意向層」は、15~19歳では半数を占める。
この年代は、いわゆる「Z世代」にあたり、社会意識も高い世代といわれている。また、年代的に教育を通じてSDGs的視点が浸透しているとみられる。
一方、「低関心層」は20代・30代比率がやや高い。
10代後半世代が、数年後にビジネスの最前線で活躍し始めるときに、「低関心層」がボトルネックにならないよう、今から若手社会人世代を中心に社会的課題への意識づけ、育成が不可欠である。
3.バックアップ層を「社会的課題解決型消費」の主力に育成。さらに投資へ
社会的課題に取り組む企業に対する評価傾向をみると、バックアップ層では、積極的活動意向層に次いで反応の高い項目が多いが、【CF】【投資】【SNS】に対する積極性は20%台にとどまる。
この層では男性50代、女性50~60代の比率がやや高く、今後ビジネスから生活・消費へと比重が移ることが想定される。現状、意向の高い【購入】に加えて、【クラウドファンディング】【投資】についての意向を醸成し、社会的課題解決に取り組む企業への積極的な消費と投資行動へとつなげていくことが必要である。
詳細は、下記PDFファイルをご参照ください。
社会的課題意識を育て、ビジネスの原動力に(2020年5月).pdf
調査概要
調査方法
インターネット調査
調査対象
全国の15〜69歳男女個人
有効回収数
1,000人(サンプル)
※性年代構成は、日本の人口構成比に合致するよう割付実施
調査期間
2020年5月28日~6月3日
関連調査結果
・2019年7月実施 「SDGsに関する一般生活者の認知・意識調査」
・2020年1月実施 「SDGsに関する一般生活者の購買・生活行動調査」
・2020年5月実施 社会的課題に関する生活者意識調査結果(前編)「生活者発想からのSDGsシーズ」
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